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【相続や贈与において配偶者が優遇されている】相続税対策としての配偶者控除の活用[POSTED]:2019-03-21
相続においても贈与においても配偶者は特別な存在
相続において、被相続人の配偶者の存在は特別です。
法定相続人の順位や法定相続分では配偶者が最も優遇されていますし、実質的にはほとんど相続税がかからなくなる配偶者控除(配偶者の税額の軽減)の制度もあります。
被相続人と配偶者は助け合って人生を共に歩み、互いに財産形成に寄与してきました。
被相続人の死後の生活保障も必要、ということで配偶者は手厚く守られているのです。
贈与税に関しても、長年連れ添った配偶者に対しては優遇措置が設けられていて、これを「贈与税の配偶者控除」といいます。
この制度は、婚姻期間が20年以上の夫婦の場合、夫婦間でマイホームなどの居住用不動産を贈与しても、2000万円までは贈与税がかからないというものです。
暦年贈与の基礎控除額110万円を加えると、不動産を贈与した年については2110万円までが非課税になるわけです(ただし、不動産取得税や登記の際の登録免許税はかかります)。
2110万円を現金で贈与すれば、贈与税が税率50%(控除額250万円)で、750万円もかかってきますから、配偶者に贈与するなら現金よりも不動産のほうが断然、お得です。
また「相続開始前3年以内の贈与」は相続財産にみなされて相続税の対象になりますが、贈与税の配偶者控除を受けると、その贈与財産分は、「相続開始前3年以内の贈与」だったとしても、相続財産には加算されません。
贈与税の配偶者控除の適用要件
このように節税対策として有効な「贈与税の配偶者控除」ですが、この特例にはいくつかの適用要件があります。
①婚姻期間が20年以上の配偶者間の贈与であること(20年以上の婚姻期間というのは、婚姻届を出した日から贈与を受けた日までの期間のことです。戸籍上の婚姻期間ですから、内縁の期間は含まれません)
②贈与された財産が、自分が住むための国内の居住用不動産、または国内の居住用不動産を取得するための購入資金であること(賃貸用不動産を贈与したり、居住用不動産の購入資金を他のことに使った場合には配偶者控除は適用されません)
③財産の贈与を受けた翌年の3月15日までに、贈与を受けた配偶者が居住用に住んでいて、かつ引き続き住む見込みであること。
一生に一度しか受けられない贈与税の配偶者控除
夫が妻に自宅を贈与する場合、要件をすべて満たしていれば(贈与後に自宅を売却するつもりはないと思われる場合)、配偶者控除の適用は受けられるでしょう。
仮に自宅の土地の評価額が約1億5000万円だとします。そのうちの2000万円分の持ち分割合を妻に贈与すれば贈与税はかからず、夫の相続財産から2000万円減らせるわけです。
2000万円ずつ、7~8回に分けて贈与すれば、自宅不動産は妻の財産に完全移転できる計算になりますが、残念ながら、贈与税の配偶者控除は同じ夫婦間では一生に一度しか受けられません。
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