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【相続人間で相続財産に関する情報格差がある場合も】相続税申告は誰がするのか[POSTED]:2019-01-22

【相続人間で相続財産に関する情報格差がある場合も】相続税申告は誰がするのか

相続税の申告は相続人各自が行う

税務申告は税法上、相続人各自が行うことになっています。
日本の相続税の納税方法は、まず、法定相続分に従って相続財産を相続したと仮定して、相続人全員が支払う相続税を計算し、その相続人全員の相続税額合計を、各自が具体的に取得する相続財産が相続財産全体に占める割合で割ることにより、各自が実際に負担する相続税額を計算します。
つまり、その一家の相続において発生する相続税を計算したうえで、もらう財産額で案分して分担額を決めることになるのです。
諸外国での一般的な相続税の計算方式に比べて特殊な計算方式になっていますが、相続人が相続する財産によって全体の相続税額が左右されないようになっているのです。税収の確保の観点からすると、安定性が担保されているといえます。
ともあれ、実際には各自の相続税が最終的に計算され、相続税の申告書も各自の相続税が各別に書かれているので、体裁としては相続人各自が申告をすることになります。
相続人間の合意がまとまらなければ相続税の申告そのものができないというわけではありません。

実務上は相続人全員で相続税の申告をするのが一般的

相続税の申告は、各相続人が申告する体裁になっていることは以上のとおりですが、実務上は相続人が全員揃って申告をするのが一般的です。
というのも、その相続における相続税額全体は1つであったとしても、相続人各自の申告額は、遺産分割協議が調わないと算出できないからです。
遺産分割は全員がそろって協議書を作成するので、結局、相続人全員がそろって申告をすることになるのです。

相続財産の情報格差

また、相続税額全体は1つである点も、確実に正しいとはいえないケースもあります。
実は相続人全員がそろって相続税額全体を確認しない限り、バラバラになってしまうおそれがあるのです。
相続税の申告には相続財産の目録を作成することが必要ですが、どこにどの財産があるのかを各相続人が確認することが必要になります。
これができないということはモメているということであり、モメていれば相続財産の範囲について争いが生じやすいのです。
よくあるのがモメている案件で、特定の相続人が被相続人と最後まで同居していたために、同居していない相続人との間に相続財産の情報格差が生じるパターンです。
同居していた相続人が財産を意図的に隠して教えない。
同居していない相続人は探索することもできない。
不動産の評価も、建物や敷地の状態を確認できないと正確に算出できませんが、同居していた相続人に阻まれ、中に立ち入れない…このような状態で申告をする場合には、当然に、同居していた相続人と同居していなかった相続人との間で相続財産の把握状況が異なってくるので、相続財産額がバラバラの申告書となってしまいます。

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