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【相続税を納付すれば終わりというわけではない】相続財産を売却した譲渡所得にかかってくる税金 [POSTED]:2019-06-23

【相続税を納付すれば終わりというわけではない】相続財産を売却した譲渡所得にかかってくる税金 

相続財産に対して発生する税金は相続税だけではない

土地や建物を売却して得た所得を「譲渡所得」といいます。
譲渡所得に対しては給与所得や事業所得といった所得とは別に分離して(分離課税方式)、所得税と住民税が課せられます。
相続では、遺産分割などで不動産を売却しなければならない場面もよく出てきます。
いくら相続税対策を施して相続税負担を抑えることができても、相続した不動産を売却するときに多くの税金がかかってしまったら元も子もありません。
相続財産を売却する可能性も視野に入れた節税対策が大切になってきます。

相続財産である土地や建物を売却した際の税金の仕組み

まずは土地や建物を売却したときの課税の仕組みについて、簡単に説明しておきましょう。
課税の対象になる「課税譲渡所得金額」を求める基本的な計算式は以下の通りです。
課税譲渡所得金額(譲渡益)=売却金額-(取得費+譲渡費用)
「取得費」は土地や建物などの資産を買い入れる際に要した費用のことです。
購入代金、仲介手数料、登記費用、不動産取得税、取得後の改良費や設備費などが含まれます。
ただし、建物の取得費は経過年数に応じて減価償却費を差し引いて計算するので、小さくなります。
「譲渡費用」は土地や建物を売却するために要した費用のことです。
仲介手数料、売買契約の印紙代、売却のために行った測量や鑑定などの費用、売却のために借家人に家屋を明け渡してもらうための立ち退き料、土地を売却するために建物を取り壊したときの取り壊し費用とその建物の損失額など。
売却額から取得費と譲渡費用を差し引いて課税譲渡所得金額がゼロもしくはマイナスの場合、すなわち譲渡益がなければ、税金はかかりません。
つまり、取得費と譲渡費用をきちんと計上することが節税の第一歩になります。
被相続人が生前に自宅(家屋の市場価値はゼロとする)を売却したのなら、売却額から被相続人が自宅を購入したときの取得費と譲渡費用を差し引けば、課税譲渡所得金額は簡単に出てきます。

相続人が相続財産を売却した場合の取得費

では、被相続人が亡くなった後で配偶者や子どもが自宅を売った場合、取得費の扱いはどうなるのでしょうか。
相続で取得した土地や建物の場合、被相続人がその資産を取得するためにかかった取得費が相続人にそのまま引き継がれます。
つまり、配偶者や子どもたちが被相続人から相続した家を売るときには、被相続人が購入したときの取得費がそのまま適用されるわけです。
しかし購入した当人が亡くなって、購入時の契約書類が見つからなかったりすると、取得費が分からなくなってしまうケースがよくあります。
そうした場合は、売却額の5%を取得費(概算取得費)に充ててよいことになっています。
実際の取得費が売却額の5%を下回る場合も同様です。
たとえば評価額が1億5000万円の自宅不動産を評価額通りの額で売却したとして、取得費が不明の場合は、5%相当の750万円を取得費にできるわけです。
また、実際の取得費が750万円以下だったとしても、取得費を750万円として扱えるのです。

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