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【余計なお金と手間がかかるケースも】税務上避けたい、遺産分割協議のやり直し[POSTED]:2019-06-21
遺産分割成立後に新たな相続人や相続財産が見つかるケースも
相続財産をどのように分けるのか、相続人全員で話し合って決めることを「遺産分割協議」といいます。
遺産分割協議は相続人全員の参加が原則で、さらに相続人全員の合意がなければ成立しません。
相続人全員が合意して成立した遺産分割協議。
遺産分割協議書を作成し、相続税の申告と相続登記も済ませてようやく手続きが一段落した後に、誰にも知られていなかった被相続人の財産が見つかることがあります。
遺産分割協議の成立後に被相続人の隠し口座が見つかったとしましょう。
「こんな財産があることがわかっていたら、遺産分割協議に合意なんかしなかった」と相続人のひとりが遺産分割協議のやり直しを求めてくるかもしれません。
あるいは被相続人から事業を引き継いで事業用資産を相続した相続人が病気やけがなどのアクシデントで事業を引き継げなくなり、別の相続人が事業を引き継ぐために遺産分割協議をやり直す必要が出てくることもあります。
遺産分割協議のやり直しは避けるべき
遺産分割協議のやり直しというのは相続人全員が合意すればできます。
民法上の法律行為としては何の問題もありません。
しかしながら、税務上は少し問題が出てきます。
税務上、各相続人は遺産分割協議によって取得した財産の所有権を有することになります。
その後に遺産分割協議をやり直して再分配された財産は相続で取得したことにはならず、相続人同士で財産を譲渡(無償の場合は贈与)したものと見なされます。
よって所得税や贈与税がかかってしまうのです。
遺産分割協議に参加していない相続人がいたり、相続人の誰かが相続財産を隠していたりした場合など、最初の遺産分割協議自体が無効の場合はこうした問題は生じません。
遺産分割協議をやり直して財産を再分配しても、それは相続による遺産分割と認められます。
ただし、すでに相続税の申告が済んでいるなら、修正申告や更正の請求が必要になり、手続きが煩雑になります。
余計な手間や税金がかかってしまう恐れがあるので、遺産分割協議は正確に、なるべくやり直しがないように努めましょう。
不動産相続における遺産分割のやり直しはさらなる時間と労力がかかる
不動産の絡んだ遺産分割のやり直しは、登記を移転しなかったことで起こることが多くあります。
遺産分割協議が口頭では成立していたけど、登記を移さないままに長時間が経過。
その間にさらに相続が発生して、結局、口頭で成立していた遺産分割協議の内容がうやむやになったり、反故にされたりて、遺産分割をやり直さなければならなくなってしまいます。
不動産の登記を放置したままだと、後々、登記を移転するために、何世代にもわたって増えてしまった相続人全員に連絡を取らなければならなくなり、大変な時間と労力がかかります。
くれぐれも登記は放置しないことが大切です。
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