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紛争当事者の代理人という立場

弁護士は、基本的に紛争当事者の代理人です。
戸籍取得や名義変更、口座解約などの手続代理は、独立業務として弁護士は積極的にかかわってきませんでした。
裁判などの紛争代理に付随する業務として、サービスで手続きを代理することはあっても、手続業務を単独で報酬をもらって行うことは一般的ではありません。
紛争代理に付随する業務としても、依頼者に直接やってもらい、一切かかわらない弁護士も少なくありません。
遺産分割が成立した後の手続きを依頼者に任せる弁護士は、一般的です。
弁護士の数が増えたので、手続代理を独立業務として引き受ける弁護士も出てきていますが、少なくとも最近まではこのような状況でした。

依頼者の立場に徹頭徹尾立つ弁護士

紛争代理という職務の性質上、弁護士は依頼者の立場に徹頭徹尾立つことができます。
誰の代理人かというと、まぎれもなく依頼者の代理人です。刑事弁護などではよく話題になりますが、徹底的に依頼者を信じて、心の中では多少無理があると思いつつも、依頼者のストーリーに則って主張をすることが職務です。
このことが意味することは非常に大きいのです。
１つの物事に対して、複数の見立てが存在することは、当然のことです。
二義を許さないはずのことでも、別の見方が必ず存在し得るでしょう。
ましてやその解釈をめぐって紛争になっているのです。対立当事者におもねる必要はないし、妥協することもありません。
自分なりの主張を、堂々と主張して良いのです。
明らかに無理な主張については、依頼者に対して弁護士が説得をすることはあるものの、それでも最終的には依頼者が主張の態度を決めます。
無理な主張であっても、敗訴は覚悟していても、それでも主張することはあります。

弁護士の個性が表れる主張態度

主張することは自由ですし、裁判を受ける権利（憲法32条）は保障されています。
最大限の主張をして、落とし所は別に探る訴訟戦術もあります。
交渉の基本として、自分から数字は言わないのは鉄則ですが、仮に言う場合でも最大限の主張をして中間の妥協ポイントを引き上げるのです。
主張態度にも、弁護士の個性が表れます。話がしやすい弁護士もいますが、好戦的な弁護士もいます。
行儀の悪い弁護士になると、暴力団組員も顔負けの恫喝をしてくる輩もいます。
弁護士が紛争の一方当事者の側に立って頑張るということは、法によって担保されています。
捜査機関に対してですら、厳しい守秘義務が課されることからして、弁護士の職務に邁進することが、法制度によって担保されているのです。

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• 2019-01-20
• [CATEGORY]： 遺産分割編
• [TAG]：弁護士兼税理士によるワンストップ相続実例,遺産分割,相続,弁護士
• [AUTHOR]：遺産相続の弁護士･税理士 永田町法律税務事務所