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【身近なテーマとなった終活問題】終活ビジネスが遺産相続に与える影響[POSTED]:2018-08-07
信託銀行では、遺言を作成する際のサポートや遺言の保管を請け負ったり、財産の名義書換などで遺言の内容を確実に実行したりする「遺言信託」サービスを主力商品の1つとして取り扱っています。
サービスの利用者からすると、専門家から相続に関する助言をもらえるほか、その意思を死後に確実に実行してもらえる安心感もあります。
一方、銀行側としても、顧客の財産を把握し、預金の預け換えを勧めることで取引を広げる機会にもなります。
信託銀行によっては、契約時にメッセージと財産記録などを預けてもらい、死亡後に指定した受取人に送ったり、相続財産の名義書換だけを請け負ったり、より簡易化されたサービスもそろえ、幅広いニーズに応えています。
手軽に有効な遺言を作成できる、という謳い文句で、「遺言書キット」を販売する文具メーカーも登場しました。
もしものときにどうしてほしいかを書き込む「エンディングノート」も商品化されています。
残された家族へのメッセージや葬儀方法・延命治療の希望だけでなく、被相続人が突然死去しても、相続人が諸々の手続きをしやすいよう、銀行口座やクレジットカード、契約している保険の内容や取引している株、インターネットのID・パスワードまでが書き込めるようになっています。
エンディングノート自体には、遺言のような法的拘束力はありませんが、書き記しておけば、いざというときに相続人が困らないだけでなく、被相続人が生きている間の備忘録としても活用できるということで、利用者が広がっているようです。
ここ最近では、スマートフォンやタブレット上で、エンディングノートと同様の情報を記入できるアプリまで登場しています。
葬儀会社では、模擬葬儀体験を行うところや、実際に棺桶に入ってみる「入棺体験」ができるところもあります。
実際に暗く狭い棺桶に入ってみると、死の恐怖心を実感できる一方で、かえって今後の生き方を考える良い機会になるそうです。
平成23年に発生した東日本大震災や平成28年に発生した熊本地震を契機に、「人はいつどんな形で死ぬか分からない」と考える人が増え、高齢者だけでなく若年齢層でも、多くの方が終活を意識するようになりました。
今や、相続も含めた終活の問題は、どの世代にとっても身近なテーマとして受け止められつつあるといえるでしょう。
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