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【司法の世界でも認められつつある同性婚カップル】結婚形式の多様化が遺産分割に与える影響[POSTED]:2018-07-14
LGBTという言葉を知っていますか。
レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(性同一性障害)の頭文字を取った言葉で、どの性別を恋愛対象とするか、自分自身をどの性別と考えるかという点で、「性的マイノリティー(少数派)」を意味します。
この中のLやG、つまり同性愛に関連して、アメリカの連邦最高裁が2013年6月、画期的な判断を出しました。
同性同士の結婚(同性婚)を事実上認める憲法判断を初めて下したのです。
この裁判は、同性婚女性が、パートナーからの遺産相続が認められないことを不当とし、同性婚を禁止した結婚保護法は違憲だと訴えたものでした。
そして2015年6月には、連邦最高裁において、「法の下の平等」を定めた「アメリカ合衆国憲法修正第14条」を根拠にすべての州での同性婚を認める判決が出されました。
これにより、アメリカにおいて同性婚カップルは異性婚カップルと平等の権利を享受することになったのです。
2013年5月には、フランスで同性婚が合法化されました。
法的に同性婚を認める国は他にオランダやスペインなどがあり、フランスで14カ国目になったそうです。
現在でも同性婚が処罰の対象となるイスラムの国はありますが、最近のアメリカやフランスなどでの動きは、同性婚容認の流れを加速させるものとして注目されました。
もちろん満場一致ではありません。
例えば、2015年のアメリカ連邦最高裁の判断も、9人の判事のうち5対4という僅差での判断だったようです。
またアメリカの世論調査会社によると、2015年における同性婚合法化の支持率は全体の約6割で、決して国民全体が支持をしているわけではないようです。
アジアにおいて最もLGBTへの権利擁護が進んでいるのは台湾といわれています。
同性婚を合法化する法案が年内にも立法案に提出される見通しとさせており、もし成立すればアジア初となります。
日本でも、同性愛を公言して堂々と同性婚を挙げるカップルも増えつつあります。
テレビのバラエティでは、「おかま」キャラの芸能人が多くの番組に登場するほど活躍しています。
しかし、同性婚を明示的に禁止する法律はないものの、民法や戸籍法上では同性婚を認めてはいませんし、憲法判断が裁判所で出された例もありません。
憲法は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立する」と定めており、この「両性」は男女を意味すると解釈されていることから、同性婚を認めていないとも解釈できます。
現行憲法が施行された昭和22年の段階では、同性婚が想定されていなかったわけです。
同性婚を合法化するために憲法改正が必要であるという意見もあります。
最近は夫婦別姓を維持したいとして、婚姻届を出さない(法的な結婚をしない)事実婚のカップルも増えています。
民法は事実婚のカップルに子供が生まれても、当然には法律上の父子関係を認めず、父子関係を成立させるためには父親の「認知」が必要です。
事実婚の夫婦が一緒に子供を育てても、法律婚の夫婦のように共同親権を持つことは認められておらず、いずれかの単独親権に限られるという違いもあります。
現在はまだまだ法律上の夫婦に比べて、同性婚や事実婚のパートナーには不便なことがいくつもあります。
しかしながら、非嫡出子を巡る違憲判断や、性同一性障害のため性別を女性から男性に変更した夫とその妻が第三者からの人工授精でもうけた子(父と子の間に血縁関係はない子)を嫡出子として認める判断など、司法界では家族のあり方に関わる画期的な判断が相次いでいます。
同性婚や事実婚に関しても、正面から合法化する判断が出される可能性もあります。
欧米での最近の動きを見ていますと、我が国でも、いつか民法から「嫡出でない子」という言葉が消え、法律婚・同性婚・事実婚が同等に取扱われる社会になるかもしれません。
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