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臨終後~[POSTED]:2017-05-24

臨終後~

死亡連絡

死亡が確認されたら、速やかに死亡の連絡を行います。知らせる範囲は、別居している家族、近親者、故人の親しかった友人や知人、勤務先、所属団体などですが、親族を除いては、通夜や葬儀の日程が決まってから連絡したほうがよいでしょう。死亡の連絡は電話を使います。目の上の人に対しても電話で構いません。

末期の水(まつごのみず)

医者から臨終を告げられた時、親しい者が本人の口に含ませる最後の水を末期の水と言います。これはこの世を旅立とうとする人へのはなむけの儀式です。本来は息を引き取る間際に行われるものでしたが、現在は臨終後に行われることが多くなりました。末期の水は、配偶者をはじめとして、親族(血縁の濃い順)にその場にいる者全員が取ります。

湯灌(ゆかん)

末期の水を取ったら、次に湯灌をします。湯灌は故人のからだを洗い清めることで、故人の現世での苦しみや迷いを遺族によって洗い清めるという意味があります。現在ではアルコールを浸した脱脂綿かガーゼで全身を拭く「清拭」が一般的です。湯灌の道具は病院や葬儀社が用意してくれます。最近では、自宅や斎場で納棺前に、湯灌を行ってくれる葬儀社や専門業者もあります。

死化粧・死装束(しにげしょう・しにしょうぞく)

死に化粧は弔問客に対して、故人の最後を美しくしようという遺族の心遣いです。男性ならひげをそり、女性なら白粉や口紅などで薄化粧をしてあげます。その後、故人を安置する前に死装束を着せます。現在は簡略化され、故人が生前好んだ着物や新しい浴衣を左前に着せ、納棺の時に経帷子(きょうかたびら)をかけるだけのところが多くなっているといわれます。

遺体の安置・枕飾り・枕づとめ

遺体はすぐには納棺せず、しばらく座敷などに安置します。頭を北、足を南に向けて布団に寝かせ、顔に白い布をかけ、数珠を両手首に持たせて胸のあたりで合掌させて安置します。安置後、枕もとに枕飾りをします。白木の台に白い布をかけて、香炉、燭台、花立ての三具足を備えます。香炉には線香を1本、燭台にはろうそく、花立てには樒(しきみ)を1枝備えます。他には、水、鈴、枕飯、枕だんごが必要です。枕飾りが整ったら、僧侶を迎え、枕飾りの前で枕経をあげてもらいます。

納棺

枕づとめが終わると、故人を棺に納めます。納棺の際はからだが硬直しているので、身内の者で持って棺に納め、周りに生花を飾ります。そして、棺の中には死装束や故人の生前の愛用品などを入れます。

死亡診断書を受取る

死亡診断書は、死亡を診断した医師に作成してもらいます。「死亡診断書」は「死亡届」と左右一体になった用紙で、その後の手続きに必要になるので、退院時に必ず受取りましょう。なお病院以外で突然亡くなった場合は、医師が死亡を確認し、「死亡診断書」を作成するまでは勝手に遺体を動かすことはできません。死亡診断書の料金は5,000円から10,000円ほどです。また、心筋梗塞などの入浴中の死転倒事故死、あるいは変死が疑われるときは、法律によって、警察を呼び、検視をしてもらうよう定められていて、この場合死亡原因を特定するため、行政解剖や司法解剖が行われることもあり、遺体が戻るまで少し時間がかかることになります。死因が特定されたうえで医師の「死体検案書」が作成されるため、それまでは火葬も埋葬もできません。死体検案書の場合、別途診断料、往診料、死体検案料、死後処置料などがかかります。

死亡届・火葬許可証

家族が国内で死亡した場合は、死亡を知った日から7日以内に「死亡届」を提供するという法律上の義務があります。病院でもらった死亡届に記入し、死亡診断書、火葬許可証交付申請書と一緒に市区町村の窓口に提出します。書類に不備がなければすぐに受理され、「火葬許可証」が交付されます。

海外で死亡した場合は、事実を知ってから3カ月以内に在外公館か、日本国内の市町村役場に死亡届を出さないと、火葬に必要な「火葬許可証」が発行されず、事実上葬儀ができなくなります。死亡届には、外国官憲作成の死亡登録証明書または医師の死亡診断書の原本とその日本語翻訳者名を明記した翻訳文を添付する必要があります。在外公館で死亡届けを出した場合、国内でも届出をすると二重の届けになって受理されないので注意が必要です。海外の山岳遭難や海難で遺体が発見されなかった場合、原則として死亡届けが出来ずに「失踪宣告」の手続きを行なうことになります。例外として死亡の事実が確定的であることを証明する資料があれば、死亡届が受理されることがあります。

当座に必要な現金を用意する

故人の口座は死亡によって「凍結」され、遺族が勝手に引き出さすことができなくなります。これは他人が勝手に引き出さないよう、故人の遺産を守るための処置です。しかし葬儀費用などは故人死亡後すぐ必要になるので、いざというときに備えて貯蓄をしておくなど、冷静な対応が必要となります。

金融機関などによっては、相続人全員の同意書などを提出すれば、遺産分割前でも預貯金を引き出すことができ、また全員の了承を前提に葬儀費用程度の引き出しに応じてくれる場合があります。また、口座が凍結されないうちに預貯金を引き出すようなアドバイスをされることもありますが、後に相続人間でもめる原因になることも考えられるので注意しましょう。

葬儀費用などを立て替えた場合は、相続税の控除の対象になりますので、遺産協議時に清算をしますが、相続人間のトラブルを避けるために、葬儀費用を出納帳に記載した上で、見積書や明細書、請求書、領収書などの書類はまとめて保管しておきましょう。領収書がないときは出納帳に日付と金額、支払先を明記しておくとよいでしょう。ただし、香典返し、墓地整備費、仏具代、初七日、四十九日法要費用、遺体解剖費用は相続税の控除の対象になりませんのでご注意ください。

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