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【遺産分割においては、不動産より現金の方が価値が高い】財産の分け方・もらい方 [POSTED]:2018-10-26

【遺産分割においては、不動産より現金の方が価値が高い】財産の分け方・もらい方 

遺産分割において至上の価値を持つ現金

遺産分割を行ううえで、原則として現金は至上の価値を持つといわれます。
いつでも物が買えますし、換金などの手間もなく、使い方にも限定がないからです。
現金が相続財産に多く含まれるときは、現金をもらわない相続人に対して現金をもらう相続人が譲歩することもあります。
相続財産として不動産と現金がある場合、それぞれ相続する人のもらう合計額が必ずしも均等にならないことがあるのです。
不動産は、現金に比べてもらい勝手が悪いからです。
例えば、1億円相当の不動産に対して8,000万円の現金という具合に、額に換算すると必ずしも等価ではないのですが、現金をもらう側が妥協をすることになります。
実際に不動産をもらえば固定資産税の支払いなどでお金が出ていくばかりでなく、庭の手入れや近所付合い、居住地選択の自由に対する制限など、有形無形の制約を受けることになります。
こうした制約を受けることを嫌って、現金をもらいたがる相続人は多いのですが、特に実家から離れて暮らしている相続人にとっては親が残した実家不動産を相続しても使い道がなく、もらいたがらない傾向が強いといえます。

思い入れが強い不動産は相続においてトラブルの元に

ほかにも親がこだわり抜いたうえで実家不動産に多額の金を投じて普請した場合には、親が亡くなって相続が発生すると、相続人はその実家不動産を押し付け合う傾向があります。
不動産という財産は、どうしても思い入れが生じやすく、その分、もらいたい人にとってみれば絶対にもらいたい財産である一方、逆に相続人の誰もが要らない財産にもなり得るのです。
離婚した前妻と住んでいたマンションにそのまま住みたがらない再婚相手の女性と同じ心境なのでしょうか。

特定の相続人のみが知る不動産の瑕疵

また不動産の瑕疵ともいうべき欠点を、特定の相続人だけが把握している場合もあります。
この場合、瑕疵を把握している相続人がほかの相続人に対してうまく押し付けることに成功するなど有利になります。
隣人とのもめごとを抱えている、雨漏りがする物件である、賃貸人が面倒な人間であるなど、実際にその不動産を持っていた被相続人から聞いていないと気付きにくい点を知っている相続人と、事情を全く知らない相続人が不動産を分け合うのですから、情報戦といっても過言ではありません。

自社株式も相続人間で押し付け合うことに

不動産のほかに分け方をめぐって押し付け合う財産は、株式などの有価証券です。
自社株式の場合は後継者が相続することが多いのですが、相続人の誰もが会社の跡を継ぎたがっていない場合は、自社株式を押し付け合うことになりかねません。
特に先代の経営者が借金などの債務についてよく説明していなかった場合には、会社を継ぎたくないと相続人が尻込みするケースもあります。

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