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【分けにくい不動産をどのように分けるか】遺産分割での不動産問題[POSTED]:2019-03-01
遺産分割で分け方が問題となる不動産
税務上、節税効果が高いとして手放しで礼賛される不動産ですが、遺産分割ではどのように扱われることになるのでしょうか。
実は弁護士が扱う遺産分割のほとんどすべての案件で、不動産が相続財産に含まれており、少なくない割合で不動産の分け方が問題になっています。
遺産分割の場面において、不動産に関してどのような点が問題となるのでしょうか。
不動産を取得する相続人は決まっている
まず、誰が不動産を取得するかは、たいていの場合決まっていることが多いといえます。
不動産は生活と、もっといえば人生そのものと密接に関連している財産だけに、不動産の近くに居を構えている相続人がいれば彼が相続するのが妥当だという合意に達します。
故人と同居していた相続人がいれば、彼が不動産を相続することに対してほかの相続人は文句を言わないでしょう。
遺産分割では不動産の評価額が問題となる
誰が不動産を相続するかが問題になることは少ないのですが、問題はいくらで不動産を評価するかという点です。
不動産を取得することになる相続人は、少しでも不動産の評価額を下げて不動産以外の財産を多くもらおうとするでしょう。
反対に、不動産を取得しない相続人は、不動産の評価額を少しでも吊り上げて、不動産を取得する相続人がほかの財産をもらえなくしようと考えます。
ここで不動産の評価額が問題になるのです。不動産相続における争点はその評価額や評価方法ということです。
知ってか知らずか、不動産を取得したいと考える相続人は、税理士が作成した財産目録をそのまま引用して路線価評価額での低い不動産評価を通そうとします。
税理士の作成した財産目録が路線価評価額に基づき、時価評価に比べて低く算定されていることを知らない代理人が、そのままその評価額を受け入れてしまう悲劇もあります。
不動産の評価額でモメた場合には、最終的に不動産鑑定を行うことになります。
遺産分割におけて不動産の共有は避けるべき
そもそも不動産は分けにくい財産です。
現金や預金であれば数字で割り切れるので、分割が容易といえるのですが、不動産についてはそうはいきません。
ところが1つの不動産を分けようとしても、そもそも共有という形で分けるのは得策ではありません。
共有というのは不動産全体を共有者全員で持分に応じて所有することなのですが、不動産の利用方法について、いちいち協議をすることが前提になってしまうのです。
例えば、週のうち何日を誰が利用するのか。
季節ごとに決めるのか。
一人の人間が利用する場合に、利用しない人間が賃料をいくらとるのか。
賃貸物件であればどうか…などについて共有者全員で協議しなくてはなりません。
建物が傷んできた。
大規模修繕を実施して賃料を上げるべきだと主張する共有者Aに対して、そんなお金は出せないとする共有者B。
お金を借りるために抵当権を設定したり、売却したりするためには全員の合意が必須条件になります。
相続についていうと、次の相続が発生すればさらに共有者が増えます。相続が発生するたびに共有者が鼠算式に増えていくことになるのです。
非モテ物件が相続トラブルの原因
相続で不動産の共有はNGなのです。
にもかかわらず、単独相続にするには評価額での合意が得にくいことからモメの原因となるのです。
最近は不動産も、モテ物件と非モテ物件の二極化が進んでいます。
誰もが欲しがるモテ物件がある一方で、固定資産税だけがかかり、売却することも貸すこともできない非モテ物件が増えてきています。
そのうえ、不動産はほかの財産と異なり、所有権の放棄ができません。
ゴミの日に捨てるということはできず、寄付をする場合も受け入れてくれる相手を探す必要があります。
誰も引き取り手がいない場合には、不動産を押し付け合う遺産分割もあるのです。
不動産は通常価値の高い財産と考えられるだけに、意外なことかもしれませんが、非モテ物件が相続トラブルの原因となっている遺産相続が多いのです。
不動産は相続税対策になりますが、モメるもとにもなります。
総合的に考えて不動産への資産組換をする必要があるといえるでしょう。
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