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【相続人にとって有利にも不利にも働き得るので注意】遺産分割で相続税の申告・納付用に作成した財産目録を使用すべきではない理由[POSTED]:2018-12-13
税理士作成の財産目録には注意が必要
法律相談の際に財産目録を持参される依頼者は多いです。
1時間程度の限られた相談時間を有効に使って有益なアドバイスをするために、事前に資料などがあれば持参してもらうようにしています。
相続関係図や財産目録、ほかの相続人とのコミュニケーションの記録などを持参してもらうと、事案が整理しやすいといえます。
これらの資料を参照することで事案の整理には大変助かるのですが、財産目録については、注意が必要です。
遺産分割調停の相手方となった方の相談を受けると、申立人が提出した資料の中に税理士作成の財産目録が入っていることがしばしばあります。
相談者自身も特に気にする様子もなく、専門家である税理士が作成した財産目録をもとに話を進めようとします。
遺産分割においてそのまま採用すると相続人に不利となることも
確かに税務申告の場面において、税理士が行った財産評価は、間違いがない限り、依って立つことができる資料になります。
しかし、それはあくまでも相続税の申告・納付における話です。
遺産分割の場面において、税理士が作成した財産目録記載の評価額をそのまま採用してよいとは限りません。
なぜなら、税理士が財産目録を作成する場合には、相続発生時における路線価や固定資産税評価額などを基準に相続財産の評価額を決定しますが、遺産分割の場面においては遺産分割時の時価を基準に相続財産の評価額を決定するからです。
つまり、相続税の申告・納付と遺産分割では、財産評価の基準や評価時点に違いがあり、この違いが相続人にとって有利にも不利にも働くのです。
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