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【知らずに登記すると贈与税がかかるケースも】遺産分割において預金以外にもある名義財産[POSTED]:2018-12-07
遺産分割で問題となる名義財産
名義財産というと、名義預金を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、名義預金と同じ問題は、株式や不動産にも存在します。
お金の出どころが株式の名義人と異なる名義株。同じくお金の出どころが不動産登記簿上の名義人と異なる名義不動産。
表現資産と呼ばれるこれらの登録が可能な財産以外でも、名義が問題にならない動産のような財産においてもリスクが存在します。
現に遺産分割においては問題になります。
名前が書いていない財産であっても、名義財産類似の問題はあり得るのです。
動産の相続では占有状況が問題に
動産の場合は主に占有状況、つまり誰が事実上支配しているかが問題になります。
例えば、父親の骨とう品を息子が持っている場合。実際には息子の財産であるかのような外観が作出されているケースです。
息子の財産であるかのような状態ですが、本当の所有者は父親で、外観と実態のズレが生じています。
こうした状況の下、遺産分割においてこの動産の真の所有者は誰であるかについて問題になると、資金の出どころや贈与の有無などが争われ、実質的に名義預金と同じ問題が生じることになります。
相続以外でも問題となる名義不動産
名義不動産を例に、実際のケースを見てみましょう。
名義不動産は、なにも親子間だけの話ばかりではありません。
夫婦間でも問題になります。
例えば、夫は会社員、妻は専業主婦である夫婦が6,000万円のマンションを購入したケースを見てみましょう。
もともとこの夫婦は、自分たちが所有するマンションに住んでいました。
しかし、手狭になったこともあり、新たにマンションを購入することにしたのです。
最初に購入したマンションも、夫婦で2分の1ずつの共有になっていたため、今回も夫婦で2分の1ずつの共有とすることにしました。
このケースのように、住宅を取得する際に、その所有権を夫婦で2分の1ずつの共有とすると、夫から妻へ贈与がなされたとみなされてしまい、贈与税の課税対象となってしまう可能性があります。
6,000万円のマンションを購入するにあたり、夫が6,000万円の住宅ローンを組みました。
マンションの所有権の登記は、夫の持ち分が2分の1、妻の持ち分が2分の1となっています。
6,000万円全額を負担するのは夫であるにもかかわらず、登記上の所有権は、夫が2分の1の3,000万円、妻が2分の1の3,000万円となっているのです。
妻は一切マンション購入資金を出していません。
したがって、夫から妻に対して3,000万円を贈与したことになってしまうのです。
共有登記が原因で贈与税が発生する
仮に妻が3,000万円を実際に支出していた場合には、夫婦で2分の1ずつの共有とし、その旨の登記をしても贈与税の問題は発生しません。
マンション購入資金の負担割合に応じて所有権登記をするのであれば贈与税を負担しなければならない状態にはならないのです。
しかし、妻が資金負担をせず夫が全額を出捐したにもかかわらず、税務面について考慮せずに夫婦で2分の1ずつの所有権登記をすると、夫から妻に対して3,000万円を贈与したことになってしまうのです。
実際には、夫婦間で贈与をしたという意識はなく、贈与契約書も作成していないでしょうし、贈与税が発生することすら認識していないことがほとんどでしょう。
以上のような権利関係は、実際の出捐者と登記簿上の名義人が異なるということになりますから、マンションの持ち分2分の1については名義不動産であると考えることもできます。
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