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【遺産分割が続く限り相続税を納めなくてもよいのか】遺産分割協議と相続税の納税[POSTED]:2018-09-28
遺産取得税方式における相続税の考え方
日本が採用する遺産取得税方式の下では、相続税は相続財産を取得した各相続人が支払うものですから、そもそも相続するかどうか、何を相続するかということが決まっていなければ、相続税を支払う前提が欠けているようにも思えます。
そして遺産分割に期限はありませんので、10年でも20年でも遺産分割協議を続けていられることになります。
そうすると、遺産分割が決着しなければ納税者も納税額も決まりませんから、遺産分割が完了するまではあたかも納税の問題が発生しないことにもなりかねません。
しかしこれでは、相続財産を共有にしている限り、納税負担は発生しないということになります。
延々と遺産分割協議を続けていれば、いつまでも相続税を納税しなくてもよいということになってしまいます。
そうすると、迅速な納税という要請を実現できません。
もちろん遺産取得税方式の考え方をするからといって、必ずしも遺産分割前の納税ができないことになるわけではありません。
納税という行政技術的な要請を満足させるには、理屈だけでは決められないのです。
遺産取得税方式の下であっても、迅速な納税という要請を満足させるために、遺産分割完了時より前に納税期限を設けることも考え得るということです。
遺産取得税方式+遺産税方式
日本の相続税制度では遺産取得税方式の考え方が採用されているのですが、相続税の計算の一部で修正がなされており、遺産税方式の考え方も取り入れています。
遺産取得税方式と遺産税方式とをミックスしたもので、相続人が相続財産をどのように分けるのかによって納税額が変わらないように、その相続における全体の納税額を確定して、相続人が相続する分に応じて相続税を負担するという考え方です。
このような考え方を採用していることも、遺産分割前の納税を正当付ける根拠になっているのかもしれません。
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