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【世代ごとにことなる相続に対する意識】遺産相続に関する高齢者の意識[POSTED]:2018-08-15
日本は世界一の長寿国と言われます。
厚生労働省の平成27年9月の発表によると、100歳以上の高齢者は前年より2748人増え、過去最多の6万1568人に上るそうです。
前年比増は45年連続だそうで、調査が始まった昭和38年における100最上の高齢者数のなんと約402倍となり、長寿化社会はどんどん加速しています。
この時点で、100歳以上の男性は7840人、女性は5万3728人。女性の最高齢は115歳で、男性の最高齢は112歳。
この男性は平成27年8月21日付でギネス社の男性世界最高齢者に認定されており、食べることが楽しみで、好き嫌いなく何でも食べるそうで、いかに日本のお年寄りが元気か分かります。
平成25年には、5月に史上最高齢の80歳で世界最高峰のエベレスト(標高8848メートル)登頂を成し遂げた冒険家、三浦雄一郎さんの快挙もありました。
100歳とは言わないまでも、功績を考えると、お年寄りと呼んでは失礼に当たるような活躍ぶりです。
内閣府の「高齢社会白書(平成28年版)」によると、平成27年の日本の高齢化率(総人口に占める65歳以上の高齢者の割合)は26.7%に上ります。
高齢化社会の進展には、よく言われる「少子化」に加えて、日本人の平均寿命の伸びが影響しているのです。
いずれにせよ、今後も、ベビーブームで生まれた「団塊世代」(昭和22~24年生まれ)が65歳以上になるなど、ますます高齢者が社会に占める割合が増え、平成72年には高齢化率が39.9%に達するうえ、75歳以上の人口が総人口の26.9%となり4人に1人が75歳以上となると推計されています。
内閣府が平成22年度 に実施した「高齢者の住宅と生活環境に関する意識調査」では、相続に関連する興味深い統計結果が出ています。
この調査は全国の60歳以上の男女3000人に実施していますが、調査項目の1つとして、土地や家屋などの資産をどう利用するかについて聞いています。
これに対し、<回答A>「資産はできるだけ子孫のために残してやる方がよい」を選択した人の割合は49・5%。
一方で、<回答B>「資産は自分の老後を豊かにするために活用(売却、賃貸など)する方がよい」を選択した人の割合が38・2%でした(残りは「分からない」)。
同様の調査は5年前の平成17年度にも実施されていますが、<回答A>は55・0%で、<回答B>は41・8%。同平成13年度調査においては、<回答A>は65・5%、<回答B>は32・2%でした。
この過去3回の結果をみる限り、少なくとも「資産はできるだけ子孫のために残してやる方がよい」と考えている人は減少傾向にあることが分かります。
細かく見れば平成13年度調査では、大都市部に限定すると<回答A>は39・0%に対し、<回答B>の47・7%で、都会の高齢者の方が、資産を自分たちのために活用したいと考える傾向にあるといえそうです。
年齢層別にみますと、<回答A>を選んだ人の割合は80~84歳で62・6%、85歳以上で74・2%でしたが、60代になると45%程度にとどまっています。
比較的年齢が低い世代では、「美田を子孫に残さず」という意識が高まっている傾向にあるようです。
さらに家族形態別で比較すると、調査対象者が子と孫との3世帯、あるいは子との2世帯で同居している場合は<回答A>の割合が高く、3世帯家族では71・8%、2世帯家族では58・0%に及んでいます。
一方で、調査対象者が配偶者との2人世帯の場合は<回答B>が過半数の51・4%となっています。
子供のいないケースも含まれているとみられますが、やはり子や孫と共に生活しているかどうかで、相続に関する意識は違うようです。
平成25年に、ある住宅メーカーが7月の第4日曜の「親子の日」にちなみ、相続対策を検討すると予想される親世代・子世代の約300人を対象に「親と子の財産相続に関する意識調査」を実施しています。
その結果、財産相続について「不安や心配事がある」と答えた人の割合は、親世代が35・4%にとどまったのに対し、子世代が65・2%に上りました。
意外にも、相続する側の子世代の方が親世代よりも不安感を持っていることが分かります。
しかしながら、「財産相続のことについて、家族で話し合いをしている」と答えたのは、親世代が24・9%である一方、子世代が18・0%に過ぎませんでした。
不安に思いつつも、親の死を前提とした相続問題は、子の方からは相談をなかなか持ちかけにくい状況があるのかもしれません。
とはいえ、いざ親に何かあったときに、困るのは子の世代です。
せっかくの「親子の日」です。
まだまだ元気でも、この機を利用して、親世代が自ら進んで相続に対する考えをまとめておく必要があるでしょう。
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