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【ノートの切れ端に書いた遺言は有効か】遺言が無効になるパターン[POSTED]:2018-07-29
遺言無効確認事件において、無効になる自筆証書遺言のパターンとしては、遺言が遺言者本人によるものではないというもののほかに、遺言が遺言者本人によって書かれているものの、内容が謎めいているパターンがあります。
遺言の内容が特定性を欠く場合には、遺言自体が無効になります。
暗号のような謎かけを解くと結果的に遺言内容が明確になるものは、そもそも内容が不明確であるとして遺言自体が無効になるのです。
また、公序良俗に反した遺言も無効とされます。
大審院昭和18年3月19日判決は、「妾契約の維持継続を条件」とする遺贈は公序良俗に反し無効としています。
もっとも愛人だからダメ、というわけではなく、専ら女性の生活を保全するための遺贈であれば、必ずしも公序良俗に反するとはいえない、という判例もあります。
このように厳しい要件がある自筆証書遺言ですが、実はどのようなものに遺言を書くかには制限がありません。
ラフな形式の遺言としては、ノートの切れ端に書かれているものもあります。
新聞広告の裏面でも可能であるといわれています。
ただしあまりにもカジュアルな遺言であると、そもそも遺言だと気づかれずに破棄されることもありますし、意思の有効性を疑われることもあります。
では、公証役場で作成する公正証書遺言が無効になることはないのか、というと必ずしもそうではありません。
無効が確認されている例では、公証人が口授の要件を欠いていたという場合と、遺言作成者に遺言能力が無い場合が多いようです。
公正証書遺言では印鑑証明書により本人であることを証明するので、遺言作成者以外の者による作成の余地はありません。
もっとも、印鑑証明書は顔写真入りではないので、絶対に身代わりがありえないのかといえばそうではないのですが。
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