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【遺言は積極的に書き直すべき】遺言作成におけるメンテナンスの必要性[POSTED]:2018-07-31

【遺言は積極的に書き直すべき】遺言作成におけるメンテナンスの必要性

都知事選出馬で話題となったジャーナリスト鳥越俊太郎氏の癌発見が遅れたのは、人間ドックをたった3年間、受けなかったことが原因だそうです。
「ビールがまずくなった」と感じ、血便を発見しても持病の痔による出血と判断して放置していた。
左下腹部の重さを感じ、下痢や便秘が続くようになってやっと、人間ドックを受診。
そこで癌が発見されました。
50代の頃は年2回の人間ドックを受けていたものの、癌発見以前の3年間は多忙のせいで1度も受けていなかったとのこと。
もしもの時に備えて受ける人間ドックなのですが、検査結果に問題が無ければ結果的には無駄なコストになります。
病気になっていないことを確認するための検査であれば、優先順位が落ちるのは当然です。
もしもの時の備えという業務分野は、弁護士が提供するサービスにもあります。
「予防法務」といわれるものですが、会社における顧問契約や就業規則の整備などです。
相続における遺言作成も、もしもの時の備えです。
こうした「法律の人間ドック」はなかなか必要性を感じてもらえないようです。
しかし遺言作成は、考え方によっては人間ドックよりも必要性が高いとさえいえます。
というのも、癌などの病気にかかるかどうかはわからない。
しかし人間はいつか必ず死にますから、相続が発生するのは確実です。
癌はゆっくりと進行しますが、交通事故や心筋梗塞などによる突然死は明日やってくるかもしれません。
確実に発生し、突然起こりうる相続への備えですから、重要なのです。
遺言を作成した後でも、作成しっぱなしでは不十分です。
遺言には定期的なメンテナンスが必要なのです。
遺言作成で大切なのは、思いの丈をそのまま綴るということではありません。
相続税などを考慮したシミュレーションにこそ、遺言作成の意味があります。
一度試算したシミュレーションは、その後の法改正や経済事情で変わってきます。
あまりにも古い遺言は、そもそも遺言作成者の最終意思を反映しているのかどうかがわかりません。
20年ほど前に作成された遺言が残されているものの、書かれてある財産は既に売却済で存在しないということもあります。
バブル期に購入した土地の価格がそのまま同じということはあり得ません。
購入時の価格を基準に作成した遺言は、相続の火種の元です。
遺言は何度でも書き直せますので、積極的に作成し直すべきでしょう。
何度でも書き直せる以上、とりあえず作成してみることに躊躇は不要です。
「まだ早い」と思って人間ドックを受けない人はいません。
遺言作成も早すぎることはなく、早く作成する利点もあります。

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