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【遺言者の個性や意思を読み取るのも公証人の役割】遺言作成における公証人の役割[POSTED]:2018-07-25
公証人の仕事の中でも、遺言の作成は依頼者の人生の集大成を手伝う最も重要な任務といえます。
遺言は自筆で書く「自筆証書遺言」でも構いませんが、さまざまな条件を満たさなければ、せっかく書いても無効とされます。
作成手数料はかかりますが、公証人に作成してもらう「公正証書遺言」の方が確実です。
公証人はときに、ただ依頼者の要望を聞いて、それを機械的に文字にすること以上の役割も担います。
依頼者の家族構成を聞き、どうすれば禍根を残さない相続ができるかを一緒になって考え、最終的には、依頼者の意思を尊重した相続が実現するよう、確実に有効な遺言を作成します。
依頼者が病床にあって、公証役場に赴くことができない場合は、公証人の方から病院や自宅まで出張することもあります。
また本来、遺言は遺言者がその内容を公証人に口頭で説明し、公証人が記録内容を読み聞かせたうえで、遺言者が納得しなければ作成できませんので、かつては口がきけない人や、耳が聞こえない人は公正証書遺言を作成することができませんでした。
しかし、現在では口がきけない人は自書での伝達や通訳人の利用で、耳の聞こえない人は通訳人の利用や公証人が記録した内容を閲覧することによって、公正証書遺言を作成できるようになっています。
バリアフリーが進んでいることは、大変良いことです。
公証人の話を聞いていますと、遺言内容には生き様や哲学、性格などの遺言者の個性が出るそうです。
遺言の中には、すがすがしく竹を割ったような文面のものもあれば、どこか未練がましく、かえって火種を残しかねない文面のものもあるとのこと。
もちろん、残していく財産をどのように分けるかで、苦渋の判断もあるのでしょうが、丁寧に相続人たちに説明することは非常に重要です。
「遺言者である私は、長年苦労を共にしてきた妻(夫)や子供たちが今後も平穏無事に暮らしていくこと、いつまでも幸福でいられることを祈りながら、遺言をする」
とか
「いろいろな事情を考慮して、このような財産分けを考えた。皆、私の気持ちをよく理解して、不平不満のないようにしてほしい」
などと付言事項に書き添えてあれば、相続人たちに「被相続人の考えを尊重し、つまらない争い事を起こしてはならない」と思わせることができるかもしれません。
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