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【法律の専門家である公証人とはどのような存在か】遺言作成時に依頼する公証人の立場と仕事内容[POSTED]:2018-07-24
日本の歴史上最悪のテロである地下鉄サリン事件などで、社会を震撼させたオウム真理教。
元教団幹部で、逮捕監禁罪などに問われた平田信の裁判は、一連のオウム事件では初めての裁判員裁判であったこともあり、世間の注目を集めました。
平成28年1月13日に懲役9年の刑が確定しています。
平田被告人が関わった事件の1つが、東京都品川区の目黒公証役場事務長だった男性(当時68歳)が拉致・監禁され、殺された事件です。
教団の信者で行方不明だった妹の居場所を聞き出そうとした事務長を、集団で拉致したうえ全身麻酔を注射した結果、副作用により死亡させたとされています。事件に登場する公証役場ですが、たまたま事務長の妹が信者であったことから、「目黒公証役場事務長拉致事件」と呼ばれています。
この事件によって、「公証役場」という言葉を初めて知った人も少なくないでしょう。
とはいえ、公証役場の役割や仕事の内容はあまり一般に知られていません。
1度でも公証役場を訪ねたことがある方ならご存じでしょうが、実は相続に深く関係するところなのです。
公証役場には、公証人と呼ばれる法律の専門家が所属しています。
全国約300カ所の公証役場には、約500人の公証人が働いています。
遺言や金の貸し借り、離婚などに関する公式な文書(公正証書)を作成しているのです。
遺言については後述しますが、例えば、お金を貸した際に公正証書を作成しておくと、約束通りに返済してもらえなかった場合に、裁判を経なくても、いきなり相手の財産に差押え(強制執行)がかけられます。
また離婚する場合は、慰謝料や養育費などに関する取り決めを公正証書の形で残しておくことで、後々の余計な金銭トラブルを未然に防ぐことができます。
公証人は、公証人法という法律に基づいて法務大臣が任命する公務員ですが、給与は税金から支出されるわけではなく、公正証書作成の依頼者から得る手数料のみから賄われています。
ただ、手数料はそれなりに高額ですので、顧客が多ければ、高収入も望めます。
平成23年3月の東日本大震災の発生後は、「いつ何が起こるか分からない」という思いからか、公証役場を訪れて遺言の作成依頼をする人が増えているそうです。
原則として公証人になるには、司法試験に合格したうえで、法律家として30年以上の実務経験を積むことが必要です。
このため、定年間際のベテラン裁判官や検察官が公証人に転職するケースが多く、平均年齢も60代半ばぐらいです。
例外的に、法務局で長年勤めた職員などが転身するルートもあります。
公証人に定年はありませんが、70代になると後進に道を譲るため、辞める人が多いようです。
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