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【誰を養子にすべきかも検討すべき】養子縁組で相続税の基礎控除額を増やす[POSTED]:2019-06-11
相続税対策のための養子縁組
基礎控除額を増やす節税法としてよく知られているのが、養子縁組をして法定相続人を増やすことです。
平成27年1月1日以降に被相続人が亡くなって相続が開始した場合、仮に法定相続人を4人とすると、基礎控除額は3000万円+(600万円×4)=5400万円です。
もし義理の息子などが被相続人と養子縁組をすれば、養子も実子と同じく「子」として相続権が発生します。
つまり法定相続人の数は5人になり、被相続人の相続の基礎控除額は600万円増えて、6000万円になるわけです。
相続人が1人増えるごとに600万円ずつ基礎控除額が増えるばかりか、相続人が増えることでそれぞれの相続分が減るので、適用税率が下がるメリットもあります。
相続税法上カウントできる養子の数
民法上は何人でも養子を迎えることができますが、相続税法上、基礎控除額の計算にカウントできる養子の数は、実子がいない場合は2人まで、実子がいる場合は1人と決められています。
義理の息子と孫のいずれを養子にする方が相続税の節税につながるか
実子がいる場合の相続では養子は1人しか取れないわけですが、仮に義理の息子と孫(直系尊属)がいた場合、どちらを養子にすべきでしょうか。
被相続人の一親等の血族や配偶者以外の人が相続や遺贈で財産を取得した場合、相続税が2割加算されることになっています。
これを「相続税の2割加算」といいます。
義理の息子が養子になれば、「一親等の血族」になるので、2割加算の対象から外れます。
しかし、例外的に孫が相続人になった場合は、2割加算が適用されることになっています。
ただし、代襲相続人(本来、相続人になるべき人が相続開始前に死亡していたときなどに、その子供や孫が代って相続人になること)の孫には2割加算は適用されません。
義理の息子が養子になれば2割加算は適用されませんが、孫には2割加算が適用されます。
ただし、相続財産が多いケースでは2割加算されても孫に直接相続させたほうが、親から子、子から孫へと2段階で相続するより、トータルの相続税が安くなることがよくあります。
平成27年1月1日から相続税の最高税率が55%に引き上げられました。
高い税率が適用される相続では、2割加算されても孫に相続させる選択があり得るので、事前に確認しましょう。
生命保険の非課税限度額にも影響を与える養子縁組
生命保険の「非課税限度額」も基礎控除と同じ理屈で増やすことができます。
生命保険は本来、被相続人の相続財産ではありませんが、相続税法上は相続財産とみなされて、相続税の課税対象になります。
相続人が、被相続人の死亡によって財産(保険金)をもらったということは、相続で財産をもらったことと変わらないため、このような財産をみなし相続財産といいます。
しかし受け取った生命保険金すべてに相続税が課税されるわけではなく、「500万円×法定相続人の数」という非課税限度額が設けられています。
法定相続人が4人の場合でいえば、500万円×4=2000万円までの保険金は非課税で受け取れるのです。
つまり、2000万円を超えない生命保険金であれば、相続財産に加える必要がありません。
この場合、基礎控除額と違って、法定相続人の数には相続放棄した人も含めて構いません。
それから被相続人に養子がいる場合は、実子がいたら1人、実子がいない場合は2人まで法定相続人に加えられます。この点は基礎控除額と一緒です。
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