【法人が絡む相続】法人債務の肩代わりが特別受益に?

【法人が絡む相続】法人債務の肩代わりが特別受益に?

[投稿日]: [投稿者]:
[サブカテゴリ]:

【法人が絡む相続】法人債務の肩代わりが特別受益に?

相談者からの相談内容

遺産分割調停の途中です。 兄と相続でもめています。 亡父が私と共同経営をしていた法人の債務を肩代わりしていたことを、特別受益であると主張されています。 共同経営していた不動産会社の経営が思うようにいかなくなり、父が法人債務を肩代わりする形で借金を返済しました。 全部で4000万円の借金を父がきれいにしました。 会社は今、解散しています。 兄が言うには、会社の債務を肩代わりしたことで、私が特別受益を受けていると言います。 会社は父との共同経営でしたし、私はほとんど携わっていませんでしたから、父が会社の借金を返済したのは私のためであるという認識はないのですが。 私が特別受益を受けているという兄の主張は認められるのでしょうか。
弁護士からの
一言アドバイス
「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
今すぐ弁護士度
簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
解決難易度

法人の事業承継と個人の相続

法的に法人と個人は別の人格です。
法人に対する借金を肩代わりしたことが、直ちに個人に対する特別受益にはなりません。
ただし個人が法人の借金の保証人をしていたりすると、法人の借金を返済してもらったことで求償権が生じます。
その求償権をお父様が取得したことによって特別受益を得ているという評価はあり得ると思います。
ご相談者は個人保証をしていたのでしょうか。
また法人の株式を持っていたのがどなたなのか。
場合によっては法人と個人が別の人格であったとしても、実質的に個人に対する借金の肩代わりとして評価される余地はあると思います。
基本的に法人の問題は個人の問題に直結しません。
離婚でも、法人経営者については、個人に対する責任を法人に対して追及できない問題がありますが、相続でも同様です。
基本的には別々なのですが、場合によって受益者が法人の借金の保証人になっていたり、株主構成などによって、例外的に特別受益の主張が認められ得ると考えてください。

ここがポイント!

法人と個人は別

法人は別人格なので個人に直接、影響しない。

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

この記事が参考になった方はクリック!

同じカテゴリーの相続相談事例 [カテゴリー:遺産分割編]

2019-08-20[カテゴリー]:
財産の使い込み(家族内ドロボー)に関する勝訴見込
父が亡くなりました。 生前、兄が父の財産を使い込んでいたので、遺産分割では不正な預金の引き出しも含めて追及したいと思います。 父が事業をしており、兄が事業を承継した関係で、事業資金として使った中に私用の使い込みも多々含まれているはずです。 確認をしたところ、いろいろと説明を受けて…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
【遺産分割の問題?】葬式費用は誰が持つの?
父の葬儀にかかった費用でもめています。 全部で200万円かかっているのですが、だれが負担するかでもめています。 兄が葬儀社に対して支払いをしたのですが、立替払いをしたとして母に対して支払いを求めています。 母には手持ち現金がなく、相続財産も現金があまりありません。 お金を持ってい…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
あったはずの骨とう品(相続財産)が隠匿され、財産開示がなされない。
母の相続に関して、相続人である姉ともめています。 私は父の代から続くオーナー企業の社長を務めており、80歳を過ぎた今でも現役を貫いています。 姉の自宅は私の家の隣にあるのですが、母はそこで姉夫婦と同居しており、最終的には病院で息を引き取りました。 母が亡くなって…[サブカテゴリー]:
A家の事例:家系図参考になった!3
2019-08-20[カテゴリー]:
相続税申告を相続人ごとにする不利益【遺産分割がまとまらない】
姉と私の2人が相続人になっている相続で、遺産分割協議が進行中ですがまとまりません。 相続税の申告義務が明らかにあるので、相続税の申告も必要になりますが、税理士もばらばらにつけているので、話し合いができません。 私の方で税理士を探すにしても、このままの状況ではバラバラに相続税申告を…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
【生前贈与と書面によらない贈与の撤回】唐突な生前贈与と超過特別受益
弟が亡くなり、弟の嫁と私が相続人です。 遺言はなく、弟が残した自宅不動産について、遺産分割協議をすることになりました。 義妹が自宅に住んでいるので、不動産を義理の妹が取得するのは仕方がないと思っていました。 自宅以外にはほぼ相続財産は有りません。 そこで遺産分割の焦点は代償金の妥…[サブカテゴリー]:

参考にしたい相続関連記事

2019-06-27
【遺産分割と相続税】遺産分割終了後の相続税修正申告
遺産分割が終わっても相続税でもめる 長くかかった遺産分割調停がようやく終わった。ところが遺産分割調停が終わっても、すべてが終わりになるわけではない。遺産分割調停を申し立てる相続事件は一般に…
2019-02-03
【弁護士と税理士ではモメるリスクに対する温度感が異なる】事前対策こそが要である相…
モメるリスクに対して楽観的な相続税理士 モメ事になると税理士は関与できなくなります。税理士はモメ事に対して、好ましい事態ではないと判断するようです。税理士主導で作成された遺産分割案で合意が…
2019-11-04
裏側も楽しくなければテレビじゃない【フジテレビ】
創業家による経営支配を一掃 フジテレビは、日本初の認定放送持株会社であるフジ・メディア・ホールディングスを中心に、フジテレビ、ニッポン放送、産業経済新聞社などから構成される日本有数のメディ…
2019-05-10
【小規模宅地等の特例の適用の可否にもかかわる重要な制度】家賃保証制度
相続税対策でも重要となる家賃保証制度 家賃保証制度とは管理会社に入居者の管理を委託する契約のことです。大手のハウスメーカーなどが行っている家賃保証制度は主に「サブリース(一括借り上げ)」と…
2020-04-07
Q76.複数の相続人が1人の弁護士を代理人とすることはできるか
できるしそのほうが効率的 昔、弁護士が全くいないかいても一人しかいない地域をゼロワン地域と言った 弁護士会はゼロワン地域の解消を提唱し、弁護士の増加とともにゼロワン地域は減っ…
2019-08-19
公正証書遺言 -よくある質問 遺言Q&A
公正証書遺言よくある質問 遺言Q&A 公正証書遺言とはなんですか? 公証役場で、公証人1人と証人2人の下に作成される遺言方式です。もっとも安心・確実な遺言方式といえ…
ページトップへ

カテゴリ別 相続相談一覧これまで弁護士に寄せられたカテゴリ別相続問題

遺 言
遺言無効を争う
遺留分を争う
  • 遺言無効
    確認訴訟
  • 遺留分
    減殺請求
  • 遺言執行者
    解任
だましうちで遺言を書かせる。財産の不正操作の常とう手段です。遺言無効確認の訴えや、遺留分減殺請求などにより、財産の不正操作と戦います。
遺産分割
財産の不正操作に
要注意!
  • 預金の
    無断引出
  • 名義の
    無断書換
預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。
不動産相続
評価や分け方で
モメる不動産相続
  • 評 価
    トラブル
  • 分 割
    トラブル
  • 不動産の
    不正操作
分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。
事業承継
同族会社の
内部紛争に勝つ!
  • 取締役の
    不正追及
  • 株主総会
    の形骸化
同族会社の内部紛争や支配権争いでお悩みの方のお手伝いをします。事業を営む方の相続問題は通常の相続以上に複雑です。会社の支配権を勝ちとり、事業を守り抜きます。
国際相続
国外財産があると
どうなるの?
  • 海外財産
  • 海外在住
  • 国際結婚
相続財産が海外にある場合、手続きが複雑になります。国内財産の分け方も絡む紛争を総合的に解決します。
相続税
節税対策の
ポイントを知りたい
  • 税務調査
  • 税務訴訟
  • 相続税の
    還付
生前にどれだけ詳細にシミュレーションすることができたかで、相続税対策は決まります。遺言内容にも影響しますので、多方面からの検討をする意味でも弁護士兼税理士にお任せ下さい。