あったはずの骨とう品(相続財産)が隠匿され、財産開示がなされない。

あったはずの骨とう品(相続財産)が隠匿され、財産開示がなされない。

[投稿日]: [投稿者]:
[サブカテゴリ]:
あったはずの骨とう品(相続財産)が隠匿され、財産開示がなされない。

あったはずの骨とう品(相続財産)が隠匿され、財産開示がなされない。

相談者からの相談内容

母の相続に関して、相続人である姉ともめています。 私は父の代から続くオーナー企業の社長を務めており、80歳を過ぎた今でも現役を貫いています。 姉の自宅は私の家の隣にあるのですが、母はそこで姉夫婦と同居しており、最終的には病院で息を引き取りました。 母が亡くなって、いざ遺産分割の話をしようと姉に連絡をとり、母の財産を開示するよう求めたところ、姉は一切開示しようとせず無視を決め込んでいます。 実家にも立ち入らせてもらえず、母の死後2年経ってようやく実家に立ち入らせてもらえたのですが、見るも無残に荒らされており、母の財産といえるようなものは何1つ残されていませんでした。 母は骨董品のコレクターでしたので、実家には相当価値のある物があったはずです。 また、母から聞かされていた預金通帳も見つかっておらず、姉は存在を否定しています。 母と同居していた姉夫婦が母の財産を隠したのではないかと疑っており責任追及したいのですが、何から手を付けてよいのかわからず、途方に暮れています。 また、姉夫婦は今でも実家に住み続けているのですが、今後も隣人として暮らしていかなければならないかと思うと気が重いです。 我が家に接している窓からこちらの様子をうかがうなど、嫌がらせも続いており、妻もノイローゼ気味になっています。   母の遺産相続をきっかけとして、姉との関係も清算したいと考えているのですが、何か良い方法はありますでしょうか。
弁護士からの
一言アドバイス
「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
今すぐ弁護士度
簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
解決難易度

被相続人と同居していた親族が、被相続人の財産を独り占めしたり、財産開示をしなかったりするケースでは、責任追及したくても資料が揃わずに涙を呑んでいらっしゃる方が多いかと思います。

まずは金融機関に対して財産調査をかけましょう。お母様が取引をしていたと思われる支店を洗い出し、ローラー作戦のように取引履歴の照会手続を進めます。金融機関ごとで手続きや照会にかかる時間が異なってきますが、通常は2、3カ月かかりますから、できるだけ早期に取り掛かる必要があります。

取引履歴の照会結果を精査し、不審なお金の動きがないのか調べます。たとえばお母様のお体が不自由であった時期に、毎日50万円ずつ引き下されているなどの不審なお金の動きが見つかった場合には、お母様の通帳を事実上管理していたお姉さまに説明を求めましょう。

今後の生活を考えると、お姉様と良好な隣人関係を築いていくことは難しいかと思われます。お母様の遺産相続問題を解決する一環として、たとえばお姉様のご自宅の土地を買い取ることを申し出てみるというのもひとつの方法といえるでしょう。お母様の遺産の範囲内のみでお姉様との関係を解決しようと考えるのではなく、柔軟に解決方法を考えて、今後お姉様との関係を続けていく必要がないようにすることをお勧めします。

ここがポイント!

被相続人と同居していた親族が、被相続人の財産を独り占めしている場合には、金融機関に照会をするなど、財産調査を進めましょう。今後の親族関係も踏まえて、柔軟な解決策を検討すべきです。

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

この記事が参考になった方はクリック!

同じカテゴリーの相続相談事例 [カテゴリー:遺産分割編]

2019-08-20[カテゴリー]:
【離婚直後の相続】離婚した場合は相続できない?財産分与の後に遺産分割協議
元夫が亡くなりました。 離婚をして半年後に亡くなったのですが、実際には離婚後も同居をしていた状況です。 離婚をすると相続人ではなくなることはわかるのですが、実態としては婚姻生活は続いているので、 私が相続人でなくなることに対しては納得いきません。 夫の財産は不動産が多いのですが、…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
弁護士を入れたらもめる?【吉本の宮迫・亮事件に学ぶ弁護士依頼のタイミング】
遺産分割協議でもめています。 家族同士の紛争ですが、遺産分割協議の話し合いは四十九日を過ぎたときから継続して1年以上、続いています。 家族同士なので相続に関する法律知識で理論武装しても、理屈が通じません。 例えば兄の自宅不動産は亡父がお金を出していたのですが、その事実を認めながら…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
家族内ドロボーと遺言無効はどう戦う?【優先的に主張すべきなのは】
相続発生前に兄が亡父の預金から無断で引き出しをしていました。 相続開始後も預金の引き出した形跡があります。 無断引き出しを追及しようとしたところ、遺言があることが判明しました。 遺言の内容は兄に一方的に有利な内容で、全ての財産を兄が相続するというものです。 遺言作成当時は父が認知…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
【平行線ならどうなるか】不動産評価でもめている遺産分割
母が亡くなった相続で、兄との遺産分割調停中で長引いています。 ポイントはいくつかあったのですが、最終的には不動産評価についてもめています。 兄は不動産評価を低めに出しているようですが、客観的にはもっと高い価値があるはずの不動産になります。 自分ができるだけ多くの相続財産を相続して…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
亡母と同居していた弟が受けていた生活援助と預金の使い込みについて追及したい。
94歳の母が亡くなりました。父はすでに亡くなっており、相続人は私と弟の2人です。 独身の弟はずっと実家暮らしで、公務員をしています。 千代田区にある母名義の土地に、弟名義で家を建てて母と弟が同居していました。 弟曰く、家は自分一人の力で建てたもので、母には一切援…[サブカテゴリー]:
O家の事例:家系図参考になった!9

参考にしたい相続関連記事

2019-08-19
7.海外の不動産と日本の不動産はどちらが得か
7.海外の不動産と日本の不動産はどちらが得か不動産を利用した節税対策 日本にある土地は、路線価方式や倍率方式によって評価されます。路線価は公示価格の約80%で計算されま…
2019-08-19
遺言の方式について -よくある質問 遺言Q&A
遺言の方式についてよくある質問 遺言Q&A 普通方式による遺言とはどのようなものですか? 一般的な遺言の方式(普通方式)として、自筆証書遺言…
2019-09-30
Q22.自分と家族の意見が異なる
決断が下せず何もせずに終わるパターン。家族の人間関係が一気に変わる出来事がないと進展しない。ルールを決めたら迷わないこと。 相続について自分と家族との意見が異なる どうしたら…
2018-07-06
【認められにくい特別受益・寄与分遺産分割で特別受益と寄与分を認めさせるには証拠が…
遺産分割において激しく争う寄与分と特別受益ですが、実際にはむなしい主張になることもあります。良くあるのが介護。介護をしてきた相続人が他の相続人よりも多くの相続分を主張することはよくあります。…
2019-08-19
遺言の認知など -よくある質問 遺言Q&A
遺言で実現できること - 遺言の認知などよくある質問 遺言Q&A こっそりと認知することはできますか? 遺言でも認知ができますので、生前に秘密にしておくことはできま…
2019-08-19
遺留分の算定方法 -遺留分
遺留分の算定方法遺留分 遺留分算定の基礎となる財産の額に、遺留分の割合をかけた額が遺留分です。基礎となる財産の価格は、原則として相続開始時に存在する財産に、被相続人が…
ページトップへ

カテゴリ別 相続相談一覧これまで弁護士に寄せられたカテゴリ別相続問題

遺 言
遺言無効を争う
遺留分を争う
  • 遺言無効
    確認訴訟
  • 遺留分
    減殺請求
  • 遺言執行者
    解任
だましうちで遺言を書かせる。財産の不正操作の常とう手段です。遺言無効確認の訴えや、遺留分減殺請求などにより、財産の不正操作と戦います。
遺産分割
財産の不正操作に
要注意!
  • 預金の
    無断引出
  • 名義の
    無断書換
預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。
不動産相続
評価や分け方で
モメる不動産相続
  • 評 価
    トラブル
  • 分 割
    トラブル
  • 不動産の
    不正操作
分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。
事業承継
同族会社の
内部紛争に勝つ!
  • 取締役の
    不正追及
  • 株主総会
    の形骸化
同族会社の内部紛争や支配権争いでお悩みの方のお手伝いをします。事業を営む方の相続問題は通常の相続以上に複雑です。会社の支配権を勝ちとり、事業を守り抜きます。
国際相続
国外財産があると
どうなるの?
  • 海外財産
  • 海外在住
  • 国際結婚
相続財産が海外にある場合、手続きが複雑になります。国内財産の分け方も絡む紛争を総合的に解決します。
相続税
節税対策の
ポイントを知りたい
  • 税務調査
  • 税務訴訟
  • 相続税の
    還付
生前にどれだけ詳細にシミュレーションすることができたかで、相続税対策は決まります。遺言内容にも影響しますので、多方面からの検討をする意味でも弁護士兼税理士にお任せ下さい。