相続財産を把握している唯一の相続人が、相続財産の一部を隠しており、その相続人により相続財産の使い込みが行われている可能性がある。
[サブカテゴリ]:遺産分割
相続財産を把握している唯一の相続人が、相続財産の一部を隠しており、その相続人により相続財産の使い込みが行われている可能性がある。
相談者からの相談内容
先日、叔父が亡くなりました。 叔父は独身で、祖父母は既に他界しており、叔父の兄である私の父も5年前に他界しましたので、相続人は伯母と私の2人です。 叔父の初七日の法要を終えた後、伯母が私に対して、叔父の位牌を作るために祖父母の位牌を預かりたいと言ってきました。 私としては断る理由もなかったので、伯母に祖父母の位牌を貸しました。 その際に、「11月7日まで、位牌を借用します。」という書面を作成して、伯母にサインしてもらいました。 しかし、約束の期日を過ぎても、伯母は位牌を返してくれませんでした。 伯母に催促の連絡をしましたが、曖昧なことを繰り返すのみで取りあってもらえません。 祖父母の供養は、長男である父が執り行っていたので、何とかして位牌を返してもらいたいのですが、どうすればよいでしょうか。 また、叔父の遺産相続の件なのですが、叔父の財産を把握しているのは伯母のみです。 伯母からは、叔父の遺産は世田谷の自宅不動産、株式(8000万円程度)及び預金(1億円程度)と聞いていますが、 証拠となるような書類や預金通帳は一切見せてもらっておらず、信用できません。 叔父は上場会社の役員を長年務めており、かなり貯蓄していたと思われますので、伯母が開示している財産以外にも、何らかの遺産があるのではないかと考えています。 あるいは、伯母が勝手に叔父の遺産を使ってしまったということもあるのでしょうか。 今後伯母と遺産分割の話し合いをしていかなければならないのですが、どのようにすれば真相を確かめることができるかわからず困っています。- 弁護士からの
一言アドバイス - 「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
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遺産分割の内容で対立が生じた場合、協議が長期化するケースが多くあります。専門の弁護士に依頼することが重要
まず、ご両親の位牌についてですが、位牌を取り戻すことが可能です。ご相談者が所有されていた位牌を伯母様が一時的に借りたに過ぎませんので、伯母様には位牌を返還する義務があります。「11月7日まで、位牌を借用します。」という伯母様の署名付きの書面があるとのことですので、伯母様に返還義務があることは明白です。
もっとも、ご相談者から伯母様に返還を求めても取り合ってもらえない状況が続いているとのことですが、弁護士に依頼して任意交渉で返還を求めていくことが適切でしょう。当事者同士の話し合いではなかなか解決しない問題も、弁護士をつけることで相手方が応じるようになるケースも少なくありません。こちらが本気であることが相手方にもわかるからです。
次に、遺産分割についてですが、被相続人がどの程度の資産をお持ちであったかは不明であるものの、ご相談者としては不動産、株式(8000万円程度)及び預金(1億円程度)の他にも遺産がありそうだとお考えのようですね。ご相談者が危惧されている通り、被相続人に近い人物が相続財産の一部を隠し、あるいは他の相続人に教えないというケースもあります。遺産分割においては遺産の範囲を正確に把握することが最も重要ですから、徹底的に調査する必要があります。
しかし、相続人同士でのみ話し合いを行うと、財産の調査・開示作業が十分になされないおそれがあります。また、財産調査は複雑な手続きを必要とするものもありますから、調査漏れが発生することもあります。遺産の調査は想像以上に手間と時間がかかるものですから、相続に精通した弁護士に任せることが最も確実かつ簡便です。
伯母様による使い込みについてですが、被相続人と伯母様が生前どの程度親密であったか不明ではあるものの、伯母様のみが被相続人の財産を把握しているということは、伯母様が何かしらの方法で被相続人の財産を使い込んでいるおそれがあります。被相続人の生前に、相続人がその財産を使い込むケースは多数あります。また、被相続人が亡くなった後に、伯母様が何らかの使い込みをしていることも十分に考えられます。そこで、預金口座の取引履歴を取り寄せて、過去のお金の流れをチェックすることが必要になります。
使い込みが発覚した場合、裁判手続によって、使い込まれた財産の取戻しを求める必要が生じます。定期的に裁判所に通って、書面を作成し、証拠をそろえるなどの作業が必要となります。
このように、遺産が使い込まれていた場合、面倒な手続を積み重ねなければならず、ご自分でなさるには負担が大きすぎるでしょう。弁護士に依頼をすればこれらの手続も全て弁護士が行います。
遺産分割の内容で対立が生じた場合、当事者同士ではなかなか話が進まず、協議が長期化するケースが多くあります。また、法的に効力のある遺産分割協議書を作成しなければ、遺産分割協議自体が無効になってしまうおそれもあります。このように、遺産分割協議をするにあたっては、やるべきことが多すぎるため、ご自分でなさるには過大なご負担になりかねません。専門の弁護士に依頼することをお勧めいたします。
ここがポイント!
遺産分割において遺産の範囲を正確に把握することが最も重要。専門家である弁護士に相談したうえで、徹底的に調査する必要があります。
被相続人に近い人物が相続財産の一部を隠し、あるいは他の相続人に教えないというケースや無断で使い込みをしているというケースもあります。
遺産分割においては遺産の範囲を正確に把握することが最も重要ですから、徹底的に調査する必要があります。
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