【離婚直後の相続】離婚した場合は相続できない?財産分与の後に遺産分割協議

【離婚直後の相続】離婚した場合は相続できない?財産分与の後に遺産分割協議

[投稿日]: [投稿者]:
[サブカテゴリ]:

【離婚直後の相続】離婚した場合は相続できない?財産分与の後に遺産分割協議

相談者からの相談内容

元夫が亡くなりました。 離婚をして半年後に亡くなったのですが、実際には離婚後も同居をしていた状況です。 離婚をすると相続人ではなくなることはわかるのですが、実態としては婚姻生活は続いているので、 私が相続人でなくなることに対しては納得いきません。 夫の財産は不動産が多いのですが、もともとこれらの不動産を購入した資金は私のお金です。 不動産経営をしていたのですが、男である夫の名義で所有したほうが何かと便利なので、名義を夫のものにしていました。 実際には私が不動産経営をしていましたし、夫は何もしていません。 夫の名義であるというだけで、相続財産になってしまうのでしょうか。 ちなみに夫には前妻との間の子どもに加え、私との間にも小学生の子どもがいます。 私に相続する権利がなく、実際には私がお金を出した財産も夫のものであるとして相続財産とされた場合、前妻との間の子どもに多くの財産が行ってしまいます。 このままでは納得いきません。
弁護士からの
一言アドバイス
「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
今すぐ弁護士度
簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
解決難易度

離婚の財産分与と名義財産

まず大前提として、ご相談者の方は相続人にはなれません。
たとえ離婚後も一緒に生活をしていても、形式的に判断されます。
離婚手続きをしなければ相続人で居続けることができたのですが、離婚をした以上、相続人にはなれません。
相続人は腹違いのお子さん2人ということになります。
次の問題は相続財産が何かという問題です。
夫名義の財産は相続財産であるという認定を受ける可能性が高いのですが、
夫婦ということもあって、実は妻であったあなたの財産であることもあるかもしれません。
お金を出したのがご相談者であって、実際にご相談者から元夫に贈与がされていなければ、
名義財産として名義は夫であるものの実質は妻の財産であるという認定もあり得ます。
もともと資金を出した時に、形に残っていますでしょうか。
あなたの口座からお金を出した形跡が残っていれば、有利な事情になるでしょう。
資金の流れが何も形に残っていなければ、逆に不利です。
形が残っていない場合、実際には裁判でご相談者のものであるという認定を勝ち取ることはそうそう簡単ではありません。
離婚をしていることも問題になります。
離婚をすると共有財産は財産分与の対象になります。
ご相談者の方はまだ財産分与の話はしていないようですから、財産分与がまだ済んでおらず、
共有財産ということになれば、財産分与の対象になります。
夫名義の不動産が夫のものであるとすると夫の財産を財産分与としてもらうことになりますし、
反対に妻のものであるとすると妻の財産を夫に財産分与として渡すことになります。
財産分与が未了という理由で、共有財産とみなされることになれば、もともと誰の不動産であったかの議論はそこまで意味を持たないことになります。
夫名義ということで一応は夫の財産である推定を受けるので、ご相談者の方は財産分与を急いで請求する必要があります。
離婚から2年以内に財産分与をしないと時効にかかってしまいますので、注意が必要です。
手続的な問題は、未成年のお子さんがいらっしゃることです。
未成年のお子さんを含む相続人に対して財産分与を要求することになり、未成年のお子様のために特別代理人を立てる必要があります。
手続としても通常の事件と異なり、手間がかかります。

ここがポイント!

財産分与請求権は離婚後2年以内に

時効にかからぬように注意。
財産分与の後に遺産分割調停。

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

この記事が参考になった方はクリック!

同じカテゴリーの相続相談事例 [カテゴリー:遺産分割編]

2019-08-20[カテゴリー]:
一方的に突き付けられた遺産分割協議書。出戻りには権利なし?
実家の相続のことで相談です。 田舎から出てきて30年が経ちますが、父に続いて母が亡くなりました。 相続人は兄と私の2人ですが、兄が実家に立ち入らせてくれず、一方的に遺産分割協議書を作成して署名を要求してきました。 内容は私の取り分がごくわずかで、家屋敷や大部分の…[サブカテゴリー]:
O家の事例:家系図参考になった!9
2019-08-20[カテゴリー]:
財産の使い込み(家族内ドロボー)に関する勝訴見込
父が亡くなりました。 生前、兄が父の財産を使い込んでいたので、遺産分割では不正な預金の引き出しも含めて追及したいと思います。 父が事業をしており、兄が事業を承継した関係で、事業資金として使った中に私用の使い込みも多々含まれているはずです。 確認をしたところ、いろいろと説明を受けて…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
【遺産分割の問題?】葬式費用は誰が持つの?
父の葬儀にかかった費用でもめています。 全部で200万円かかっているのですが、だれが負担するかでもめています。 兄が葬儀社に対して支払いをしたのですが、立替払いをしたとして母に対して支払いを求めています。 母には手持ち現金がなく、相続財産も現金があまりありません。 お金を持ってい…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
相続人の配偶者が口を挟んできており、話し合いが紛糾している。このままでは膠着状態…
遺産分割調停を進めているのですが、なかなか順調に進みません。 父が亡くなり、相続人は母と2人姉妹なのですが、姉だけが細かいことにこだわって紛糾してしまうのです。 特に姉の夫が、話をややこしくしています。分割方法や振り込み方法などについても、いちいち議題になってしまいま…[サブカテゴリー]:
R家の事例:家系図参考になった!3
2019-08-20[カテゴリー]:
遺言執行者に指名されている義兄主導で遺言執行が進む。財産はもらえるのか。
父の相続について、姉一家ともめています。 母は父よりも先に亡くなりましたので、相続人は姉と私の2人なのですが、義兄である姉の夫が、何かにつけ口を挟んできます。 というのも、父が亡くなって遺産分割の話を始めた際には見つかっていなかった遺言が、父の死後3カ月経って発見され…[サブカテゴリー]:
W家の事例:家系図参考になった!4

参考にしたい相続関連記事

2019-09-01
「K」を巡る二度目の争い【キタムラ】
過去の商標出願を問題に 第一決議の後、キタムラK2は「K」マークが使用できなくなることを心配し、「K」マークを含む商標出願を行った。キタムラは、その商標出願行為が営業譲渡契約に違反するとし…
2019-12-24
Q42.遺言を書き直したいのだが
定期的に書き直す場合、日付と今までの遺言を無効にする旨は忘れずに 遺言の書き直しは是非行うべきである その時に注意することとして、新しい遺言は必ず古い遺言に優先するとは限らな…
2019-08-19
外国に住んでいる相続人がいる場合 -遺産分割の問題
外国に住んでいる相続人がいる場合遺産分割の問題 相続人の中に海外に住んでいる者がいる場合、遺産分割協議への参加が困難になります。この場合は家庭裁判所に財産管理人の選任を申し…
2019-12-11
Q38.自筆証書遺言で無効にならないか
無効になるポイント。コスト的に書き直しに便利。専門家による継続的サポート。 自筆証書遺言はあまり勧められていない 無効になるリスクを心配している方もいる。 公正証書遺言がよ…
2020-03-19
Q69.遺言がある場合でも、遺産分割協議を行うことがあるか
あり得る 遺産分割調停 遺言がある場合、 遺言が優先するために、遺産分割協議を行う必要はない。 では全くないのかと言うとそうではない。 相続人全員の合意によって、遺…
2019-08-19
相続放棄 -相続の放棄と承認
相続放棄相続の放棄と承認 相続放棄とは、被相続人の一切の財産を相続することを放棄することをいいます。相続放棄は、相続の開始によって相続人に帰属すべき相続の権利義務を確定的に消…
ページトップへ

カテゴリ別 相続相談一覧これまで弁護士に寄せられたカテゴリ別相続問題

遺 言
遺言無効を争う
遺留分を争う
  • 遺言無効
    確認訴訟
  • 遺留分
    減殺請求
  • 遺言執行者
    解任
だましうちで遺言を書かせる。財産の不正操作の常とう手段です。遺言無効確認の訴えや、遺留分減殺請求などにより、財産の不正操作と戦います。
遺産分割
財産の不正操作に
要注意!
  • 預金の
    無断引出
  • 名義の
    無断書換
預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。
不動産相続
評価や分け方で
モメる不動産相続
  • 評 価
    トラブル
  • 分 割
    トラブル
  • 不動産の
    不正操作
分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。
事業承継
同族会社の
内部紛争に勝つ!
  • 取締役の
    不正追及
  • 株主総会
    の形骸化
同族会社の内部紛争や支配権争いでお悩みの方のお手伝いをします。事業を営む方の相続問題は通常の相続以上に複雑です。会社の支配権を勝ちとり、事業を守り抜きます。
国際相続
国外財産があると
どうなるの?
  • 海外財産
  • 海外在住
  • 国際結婚
相続財産が海外にある場合、手続きが複雑になります。国内財産の分け方も絡む紛争を総合的に解決します。
相続税
節税対策の
ポイントを知りたい
  • 税務調査
  • 税務訴訟
  • 相続税の
    還付
生前にどれだけ詳細にシミュレーションすることができたかで、相続税対策は決まります。遺言内容にも影響しますので、多方面からの検討をする意味でも弁護士兼税理士にお任せ下さい。