多額の財産を独り占めし、一方的に100万円で片づけようとする長女。

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多額の財産を独り占めし、一方的に100万円で片づけようとする長女。

相談者からの相談内容

母の相続のことで、3人姉妹でもめています。 長女と三女が結託して、私を遺産分割の話し合いから排除しようとします。 10年前に父が他界し、その後は実家で長女が母と同居していました。三女は結婚後も実家近くに住み、何かにつけ両親に甘えていたようです。私は地方に嫁ぎましたので、年に数回里帰りする程度でした。 母は3か月前に亡くなったのですが、長女と三女が49日の法要の席で、私の実印と印鑑証明書を渡すよう迫ってきました。最初は何のことだかわからず、曖昧な返事をしていたのですが、何度も催促の連絡がくるので理由を確認してみると、遺産分割協議書に私の実印を押す必要があるとのことでした。母が亡くなってから1度も、遺産分割について話し合ったことはありません。日頃から仲の良かった長女と三女が勝手に遺産分割協議を進めているようです。確かに、私は母の面倒を看ていたわけでもなく、頻繁に顔を合わせていたわけではないのですが、私に何の相談もなく遺産分割協議を進めることに憤りを感じています。 長女は、実印と印鑑証明書を渡せば100万円を支払うと言っています。 母の相続財産は、千代田区の実家不動産と預貯金です。堅実な性格の母でしたら、ある程度の蓄えはあったでしょうし、実家不動産の価値は3億円を下らないと思います。 年をとってから姉妹でもめるようなことは避けたいとは思うものの、いくらなんでも100万円という金額には納得できません。 私は実印と印鑑証明書を渡さなければならないのでしょうか。   弁護士に依頼すると、どのような対応をとってもらえますでしょうか。
弁護士からの
一言アドバイス
「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
今すぐ弁護士度
簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
解決難易度

遺産分割協議書が一度作成されてしまうと、その内容を争うことは難しくなってしまいます。相続人全員参加が原則の遺産分割協議に参加されていないとのことですし、その内容も納得がいくものではないようですので、お姉様に実印と印鑑証明書を渡す必要はありません。速やかに遺産分割協議の開催を求めましょう。

もっとも、頑なな態度のお姉様に任意での交渉を求めても、全く応じないか、のらりくらりとかわされ、時間だけがかかってしまうことが予想されます。

早期に解決するためには、一刻も早く調停を申立てるべきかと考えます。

弁護士を就ければ、調停期日に毎回出席する必要もないのでご負担も少ないかと思います。

また、ご相談者のみがご実家から離れて暮らしていらっしゃったとのことですから、長女と三女はご相談者に見つからないようにして、お母様の財産を容易に使い込むことができる状態だったといえます。お母様の預金通帳の取引履歴を調べて、不正なお金の動きがないかどうか検証すべきでしょう。なかには、金融機関に提出する書類を偽造するなどして、不正に使い込むようなケースもあります。このような場合、別途訴訟を提起する必要も生じますので、早めの対応が肝心です。

ここがポイント!

他の相続人が頑なな態度をとり、遺産分割に関する交渉・話し合いが難航している場合、遺産分割調停の申し立てをご検討下さい。

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

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