遺言能力について争う際のポイントを把握したうえで、遺言を作成すべき。

遺言能力について争う際のポイントを把握したうえで、遺言を作成すべき。

[投稿日]: [投稿者]:
[サブカテゴリ]:

遺言能力について争う際のポイントを把握したうえで、遺言を作成すべき。

相談者からの相談内容

父が遺言を残して亡くなりました。 遺言には財産の分け方が書かれているのですが、私には父名義のマンション1棟を残してくれました。ほかの兄弟にもそれぞれ現金などを残しているのですが、私が多めにもらっているという理由で、遺言の内容に対して兄弟は不満を持っています。 遺言は2通あり、最初の遺言では平等な分配になっていましたが、最後の遺言では私に有利な内容になっています。 父は病気で入院中に、遺言を作成したのですが、兄弟は遺言を作成した時に認知症であったことを理由に遺言が無効であるとして、遺言無効確認訴訟を提起してきました。 父は確かに高齢で入院中に元気が無かったのは事実ですが、頭ははっきりしていましたし、遺言で私に財産を多く残すことになった理由も、直前に父の財産を勝手に兄弟が売却したことに怒ったことが理由です。 遺言無効確認訴訟ではどのように戦ってもらえますか。
弁護士からの
一言アドバイス
「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
今すぐ弁護士度
簡単に解決できる見込み やや簡単に解決できる見込み 解決できる見込みあり 解決するのがやや難しい 解決するのが難しい
解決難易度

遺言の有効性を争う訴訟を遺言無効確認訴訟と言いますが、遺言が無効であることは、遺言が有効であることを主張する側が立証する必要があります。遺言に対して文句をつけてきた方ではなく、遺言に対して文句を付けられた方が主張する必要があるのです。遺言が有効であることを立証するためのポイントとなる証拠を集めることからスタートします。

 

遺言能力が問題になる事件では、医師の診断書や看護記録などが重要になってきます。

事件によっては、看護師が医師の意見書とは正反対の内容の陳述書を出すものもありますが、病院の公式の見解かどうかは確認する必要があります。看護師が独断で医師の見解とは正反対の見解を述べているのであれば問題にするべきです。

遺言は公正証書遺言でしょうか。

公正証書遺言であれば、公証人が関係してきますので、公証人の証人尋問などを行う必要性が出てきます。公証人に対する証人尋問も、ポイントとなる事項を落とさずに気を抜かずに臨むべきです。公正証書遺言であっても、無効とされることが最近は多くなってきています。

公正証書遺言を作成する場合でも、遺言を作成する場合はしっかりと遺言能力についてのアリバイ作りはしておくべきです。急ごしらえでわざとらしい証拠を作成するよりも、日頃からの心がけで自然な形跡が残るのが一番です。

ここがポイント!

遺言能力が問題になる遺言無効確認訴訟では、医師の診断書や看護記録などが重要な証拠になってきます。
これらの書面の他にも、医師の意見書などを提出すべきか検討する必要があります。

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

この記事が参考になった方はクリック!

同じカテゴリーの相続相談事例 [カテゴリー:遺言編]

2019-08-20[カテゴリー]:
【夫婦で遺言を作成とき】どちらの相続を先に想定するか?
妻とともに夫婦で遺言を作成しようと思っています。 相続税のことも考えて、配偶者特例も利用しながら相続の配分を検討しています。 妻の方が元気なので、長生きするはずですから、私の財産を妻にまず相続させて配偶者特例を利用するつもりです。 そのほかにも居住用不動産を妻に贈与することも考え…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
認知症の祖父との贈与契約
認知症の祖父との間で贈与契約を締結しました。 その後まもなく祖父は亡くなり、相続が発生しています。 祖父が亡くなったことで相続人となったおじが、祖父との間で交わした贈与契約の有効性を問題にしています。 遺言の有効性が問題になることはよくありますが、贈与契約も問題になるのでしょうか…[サブカテゴリー]:
2019-10-29[カテゴリー]:,
【金持ちの令嬢必見?】結婚前の相続対策【相続させない方法】
家業を営んでいます。1人娘が結婚するのですが正直、私たちの家の財産が目当てなのではないかと思えて仕方がありません。こんなことを言わずに、素直に喜ぶべきかと思うのですが、もともとお金に困っていそうな方なので、今後のことが心配です。この前も一緒に食事をした時には、うちの会社があたかも…[サブカテゴリー]:
2019-08-20[カテゴリー]:
なんと遺言は2通あった!2通目の遺言の有効性が怪しい。
先日、父が亡くなりました。母は10年前に亡くなっていますので、相続人は長女である私、次女(妹)、長男(弟)の3人です。 母が亡くなった直後、私は父から遺言を作ったと聞きました。 長年連れ添った母が亡くなり、これからのことが不安になったため、遺言を作成したとのことでした。 そ…[サブカテゴリー]:
O家の事例:家系図参考になった!8
2019-08-20[カテゴリー]:
無理やり書かされた遺言を書き直し、自分で財産を管理したい。
先日、父が持病の心臓病が悪化し、緊急入院しました。 入院前、父は母と二人暮らしで、近所に住む兄が時折面倒を看ていました。私も両親の面倒を看たいのですが、兄から「実家に来るな」と言われており、自由に両親に会うことができない状態が続いていました。 父が入院する際、兄は「父親の財産管理…[サブカテゴリー]:

参考にしたい相続関連記事

2019-06-24
【遺産分割を弁護士に】遺産分割を弁護士に任せるタイミング
家族同士の話し合いから始まる遺産分割協議 遺産分割事件に最初から弁護士が関与していることは少ない。家族間での話し合いが先行することが、遺産分割協議の特徴である。離婚事件でも同じことが言える…
2019-06-19
【相続税が問題となるのは二次相続】二次相続まで見据えた相続税対策
二次相続では配偶者控除が使えない 一般的に夫から妻への相続を一次相続、妻から子供への相続を二次相続といいます。一次相続で妻は配偶者控除の適用が受けられるので、法定相続分の財産を相続しても相…
2019-08-19
3. 秘密証書遺言 -3つの遺言方式
3. 秘密証書遺言3つの遺言方式 秘密証書遺言は遺言の内容を、遺言者以外に知られることなく作成できることが最大の特徴です。遺言の内容を秘密にする遺言の方式としては、自筆証書…
2021-10-14
遺言の増加に伴う争族。認知症の疑いによる無効を防ぐためには
普及が加速する遺言 遺言を作成することの重要性は、ここ数年でかなり浸透しています。実際に事務所に来られる相続発生後の相談者の中で、遺言を持参される方はこの10年間でかなり増えました。10年…
2019-08-19
取得した遺産に問題があった場合 -遺産分割の問題
取得した遺産に問題があった場合遺産分割の問題 遺産分割の結果、手にした相続財産に何らかの瑕疵がある場合があります。 相続財産の瑕疵とは、相続人が取得した財産が他人の物だったり…
2019-08-19
遺言の方式について -よくある質問 遺言Q&A
遺言の方式についてよくある質問 遺言Q&A 普通方式による遺言とはどのようなものですか? 一般的な遺言の方式(普通方式)として、自筆証書遺言…
ページトップへ

カテゴリ別 相続相談一覧これまで弁護士に寄せられたカテゴリ別相続問題

遺 言
遺言無効を争う
遺留分を争う
  • 遺言無効
    確認訴訟
  • 遺留分
    減殺請求
  • 遺言執行者
    解任
だましうちで遺言を書かせる。財産の不正操作の常とう手段です。遺言無効確認の訴えや、遺留分減殺請求などにより、財産の不正操作と戦います。
遺産分割
財産の不正操作に
要注意!
  • 預金の
    無断引出
  • 名義の
    無断書換
預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。
不動産相続
評価や分け方で
モメる不動産相続
  • 評 価
    トラブル
  • 分 割
    トラブル
  • 不動産の
    不正操作
分けられない財産の典型である不動産。不動産の評価について相続人間でモメます。そもそも不動産が相続財産かどうかも問題になります。不動産を独り占めする財産の不正操作と最後まで戦います。
事業承継
同族会社の
内部紛争に勝つ!
  • 取締役の
    不正追及
  • 株主総会
    の形骸化
同族会社の内部紛争や支配権争いでお悩みの方のお手伝いをします。事業を営む方の相続問題は通常の相続以上に複雑です。会社の支配権を勝ちとり、事業を守り抜きます。
国際相続
国外財産があると
どうなるの?
  • 海外財産
  • 海外在住
  • 国際結婚
相続財産が海外にある場合、手続きが複雑になります。国内財産の分け方も絡む紛争を総合的に解決します。
相続税
節税対策の
ポイントを知りたい
  • 税務調査
  • 税務訴訟
  • 相続税の
    還付
生前にどれだけ詳細にシミュレーションすることができたかで、相続税対策は決まります。遺言内容にも影響しますので、多方面からの検討をする意味でも弁護士兼税理士にお任せ下さい。