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【依頼者の本音と専門家の実情は異なるケースも】専門家の細分化[POSTED]:2018-09-06

【依頼者の本音と専門家の実情は異なるケースも】専門家の細分化

それぞれの専門家で異なる「相続問題」の捉え方

おごった人間が天まで届く塔を建設しようとして神の怒りに触れ、同じ言葉を話していた人間は共通の言語を奪われて、意思疎通が困難になった。
言葉が通じない外国に行くと、自分が言いたいことが相手になかなか通じず、不便さを痛感します。
相続業務も似た状況にあって、相続の専門家間において共通言語が存在しないために、ある相続の専門家には通じる話でも、他の相続の専門家には全く話が通じない事態に陥ることもあります。
結果、自分が抱える相続の問題を一挙に解決することができず、ストレスを感じるクライアントが多いのです。

相続問題には色々な業種が混在する

相続ブームに乗る専門業者と依頼者の本音

相続分野ほどプレーヤーが混在している分野はありません。
弁護士や税理士、司法書士、行政書士などの士業はもちろんのこと、墓石業者や仏壇販売業者、葬儀会社、生命保険会社など一般の事業会社も、相続マーケットで活躍しています。
最近は相続ブームに乗って、相続コンサルタントなる資格が創設されて、不動産業者もコンサルタントと称して相続の相談に乗っているようです。
相続マーケットのプレーヤーたる専門家にとっては、それぞれが自分のテリトリーの仕事をこなしている認識なのですが、依頼者にとってみると、登記手続きや不動産の売却という一部分だけをつまみ食いされるのではなく、自分の相続問題を一挙にワンストップで解決してほしいというのが本音でしょう。

相続問題の依頼者が求めるサービス

専門分野といっても、プレーヤー目線で仕事を区分したものであって、依頼者の目線から見れば、すべてが包括して「相続問題」と評価されます。
自分が抱える相続問題を解決したいと考える依頼者は、役所でたらい回しにされるかのごとく、弁護士事務所と税理士事務所、コンサルタント会社をはしごしなければ問題を解決することができない現状です。
それぞれの相続専門家(自称専門家も含めて)の話す内容が矛盾していたり、専門用語が違っていたりするので、よくわからないまま進めざるをえません。
ある相続専門家から聞いた説明内容を別の相続専門家に解説してもらおうと尋ねても、「専門外だから…」と言われてしまう始末です。
相続の「専門家」であると思ったからこそ相談したはずなのに、と依頼者は不満に思うでしょう。
不満を感じながらも結局は、他に相談できる専門家を見つけることもできずに、仕方なく我慢している依頼者が多いのです。
依頼するかどうかを決定する判断要素は、問題解決能力の有無ではなく、愛想や接客態度の良さなど、サービスの非本質的な部分になりがちですが、それがよいことかどうかはわかりません。

共通言語を持たない相続の専門家

実は、当の専門家同士も共通言語を持たずに、自分の仕事以外のことを聞かれた場合は、よくわからないので他の専門家に聞いてほしいと言わざるを得ないのです。
日本特有の問題として考えられる点は、士業の細分化が極端なまでに進んでいることです。
裁判を扱う弁護士。税の申告を扱う税理士。不動産の登記を扱う司法書士。
書面作成を扱う行政書士…ここまで士業が細分化されているのは、諸外国でも珍しいといえるでしょう。
税金のことはわからないので税理士に聞いてほしい。
紛争になったのでこれ以上は弁護士でなければ扱えない。
そう言ってこれ以上の仕事を拒否されたならば、依頼者はこの先どうすればよいかわからず途方に暮れてしまいます。
もっとも、わからないことはわからないと素直に認めている以上、まだ正直な分だけマシといえるかもしれません。
専門外の分野について明るくないことが依頼者にバレてしまうことを恐れて、曖昧な回答や間違った回答をされてしまう。
結果、重大な損害が発生してしまっては目も当てられません。
弁護士業務でいうと、交通事故や離婚に関する相談の際に、税務分野について質問されることがあります。
受け取った損害賠償金や慰謝料に税金がかかるのだろうかと心配する相談者もいるのです。
税金に関する相談を持ちかけられた場合、多くの弁護士は「それは税理士に聞いてほしい」と言ってかわします。
相談者としては、交通事故や離婚に関する法律相談の一環として、税金についても相談したり確認したりしたいと思っていても、相談を受けた弁護士としては、「それは専門外」として相談を受け付けないのです。
ただし通常は、税務分野に関する質問は定型的なもので、問題が起こることもそうそうありません。
そもそも税務分野と交錯する問題が発生する頻度はそう多くはありません。
依頼者としても、弁護士に依頼している紛争案件であるという意識が強く、税務方面の問題を聞こうとすることもあまりないともいえます。

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