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相続・遺産分割で金融資産の換価に時間がかかるわけ【銀行編】[POSTED]:2019-10-29

相続・遺産分割で金融資産の換価に時間がかかるわけ【銀行編】

相続開始により債務は法定相続分の限度でしか各相続人に請求できない

債務者が亡くなって相続が開始した。
そのこと自体は全くコントロールできないのだが、どの相続人に対して何を請求できるのかを銀行は問題にする。
一般論として、相続が発生した場合、債権者は各相続人に対して法定相続分の限度でしか請求できない。
各相続人が十分な資力を持っていれば問題なく債権回収できる。
しかし各相続人の資力によっては、債権者が完全には債権回収できないことがある。

特定の相続人が相続財産の大部分を相続する場合

各相続人の資力がまちまちなのは当然だが、各相続人が相続する相続財産を、債権者は当てにすればよいとも思える。
ところが実際には、各相続人が法定相続分通りに相続をするとは限らない(法定相続分どおりに相続したとしても事実上、各相続人毎の個性、浪費壁などのリスクはある。)。
特定の相続人がほとんどの財産を相続することがある。
遺産分割をする場合、あるいは遺言で各相続人の相続分が指定された場合で、
特に事業を営む被相続人が事業用財産を特定の相続人(同居の長男など)に相続させる場合である。
不動産などの遺産分割をしにくい財産が、相続財産の大部分を占める場合もしかり。

金融機関が特別の合意を求めてくることも

金融機関としては債権回収の確実性を少しでもあげようとする。
たとえば特定の相続人の口座からローンを引き落とすことに対する合意を求めてくることもある。
合意書を提出しなければ被相続人の口座解約手続きに事実上、協力しない。
あくまでもお願いなのだがという体で、事実上、債権回収を確実にしてからでないと預金の解約手続きに応じないケースもある。
そういえば最高裁判例で、預金債権が遺産分割の対象になるという判例が出るまで、預金債権は当然分割とされていた。
当然分割されるので、各相続人は法定相続分の限度で、預金債権を引き下ろすことができるはずなのに、銀行は応じなかった。
やむなく銀行相手に裁判をすることもあったくらいである。

不可思議な銀行実務

銀行のゴネ得を許す形で、要求をのみ、解約手続きを進める。
要求内容はケースバイケースで、合意書を提出したところで直ちに解約手続きに応じることになるとは限らない。
裁判にかければ、無条件で応じざるを得ない。
何ら法的根拠がないリクエストなのだが、手続が送れる分の遅延損害金を銀行は払うのだろうか。
不可思議な銀行実務である。

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