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【相続人の資格をはく奪するにはどうすべきか】遺産分割の遺留分での養子の効果[POSTED]:2019-01-14

相続人の資格をはく奪する廃除制度
遺産分割における養子縁組は意義を検討しましょう。
本来、勘当ができればよいのですが、現代では勘当ができません。
そこでせめて、相続人としての資格を奪ってしまい、自分が亡くなっても財産を相続させないようにしたいと思う親がいます。
廃除という制度で、裁判所の許可があれば相続人の資格をはく奪することができるのです。
ただし廃除はなかなか認められません。相続人になる資格を全面的に奪うのですから、それだけの事情が要求され、単に親子の仲が悪いというだけでは認められないのです。
廃除は生前に申し立てると波風が立つので、遺言で廃除を申し立てることもあります。
遺言執行者を指定しておき、死後に遺言執行者に申し立ててもらいます。
もっとも、生前における廃除が認められにくいことと同様で、遺言によっても廃除のハードルが下がるわけではないので、認められにくいのは同じです。
なかなか認められないにもかかわらず、廃除が実現されることを期待して、遺言で廃除を申し立てても安心していられません。
遺言では廃除を申し立てておきながら、廃除が認められなかった場合に備えて、廃除したかった者の相続分をゼロとする予備の条項を入れておくべきです。
遺留分は遺言によっても奪えない相続人の最低限保証された取り分で、遺留分を害された者の訴えにより、遺留分を侵害しないように遺言の内容が修正されるものです。
遺産分割における遺留分封じの方法
やはり遺留分は侵害できない、という意味で親不孝者の息子に対する制裁には限界があります。
ならばできるだけ遺留分を小さくすることはできないのでしょうか。
遺留分封じの方法は、遺留分を侵害される者の法定相続分を減らすことです。
遺留分はたいていの場合、相続分の2分の1になります。例外的に親のみが相続人になる場合は3分の1です。
遺留分は相続分に基づいて算出するものですから、相続分を少なくすれば遺留分を少なくできます。
相続分は相続人の数によって変わってくるので、相続人を増やすことで親不孝者の遺留分を少なくすることも可能です。
遺留分の計算方法からしても、遺留分を侵害される者の法定相続分が減ることで遺留分が減ることがわかります。
遺留分を侵害される者の法定相続分を減らす方法としては、一般的には、法定相続人を増やせばよいのです。
遺留分を侵害される者が子であることを前提とすると、法定相続人が増えれば、各自の法定相続分が自然と減少します。
養子縁組により法定相続人を増やす
法定相続人を自在に増やす方法としては、養子縁組をすることです。
義理の息子を養子にしたり、孫を養子にしたりすることはよくあります。
特定の相続人の遺留分を少なくするために、何人でも養子をとってもよいのです。
養子縁組をすることで、養子になった人は子になりますので、子の数が増えて、子としての法定相続分は、遺留分を侵害される者も含めて、減ることになります。
養子縁組と遺言作成はセット
養子縁組は遺言作成と同時に行われることが少なくありません。
特定の相続人、例えば二男の相続分を減らし、長男の相続分を増やそうとする場合、長男の嫁や、長男の子である孫を養子にして、実質的には長男に多く財産が渡るようにしながら、二男の遺留分侵害を減らすか、発生させないようにしています。
二男を阻害しようとする意図を持って行う場合もありますが、事業承継などで長男に集中的に財産を相続させるために、やむなく行う場合もあります。
創業者家族の場合、後継者である長男に財産が渡ることは、ファミリー全員の合意であるかのように思われがちですが、実は意外と、遺留分請求されるリスクを懸念しているようです。
世間を騒がせる事業承継紛争が発生することもままありますし、実際に表沙汰にならなくても、裁判外で弁護士間の話合いで解決せざるを得ないことも珍しくはありません。
実態のない養子縁組は無効
もっとも、遺留分封じのための養子縁組にも制限があるので注意が必要です。
判例は養子縁組の実態がない限り、養子縁組の意思がなく養子縁組は無効としています。
一方、判例は「節税目的の養子縁組でも直ちに無効とはいえない」とも判示しており(最判平成29年1月31日)、節税目的自体は養子縁組意思を否定するものではありません。
つまり、節税の動機と養子縁組意思は併存するということです。
民法上、養子縁組が有効か否かを判断するにおいて重要なのは、養子縁組の意思があるか否かということになります。
養子縁組の意思が必要であるという点で、遺留分封じのための養子縁組においても制限があるといえます。
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