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【相続財産の中にお宝が!遺産分割はどうなる?】遺言・遺産分割・相続と骨董品[POSTED]:2018-09-03
遺言・遺産分割・相続と骨董品
そこまで頻度は高くないのですが、相続財産に価値の高い骨董品が含まれていることがあります。
遺言の相続財産目録において骨董品が細かく列挙されていることは多くはありません。
むしろ相続人の記憶に頼って指摘をし、遺産分割で問題になることが多いようです。
骨董品は動産ですから、多くは形見分けとして遺産分割とは別のステージの問題です。
ところが骨董品の価値によっては、遺産分割が紛糾することもありえます。
国宝級のものが含まれていることもあるでしょう。
東山魁夷氏の相続についてかいたこともありますが、そもそも国宝とは何でしょうか。
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国宝の譲渡に関する届け出
国は、歴史的、芸術的に価値のある建造物や絵画、彫刻、工芸品などのうち、重要なものを「重要文化財」とし、さらに特に価値の高いものを「国宝」に指定しています。
従って、国宝は、まず重要文化財であることが前提になります。
こうした国宝や重要文化財の所有者は、文化財保護法で売買や相続、所在の変更をする際、国への届け出が義務付けられています。
しかし、それが徹底されていないことが今、問題となっています。
文化財を取り扱う国の行政機関である文化庁は平成28年5月、国の重要文化財に指定されている刀や仏像などの美術工芸品の少なくとも172点の所在が分からず、30点について盗難届が出されていると発表しました。
中には、相続などで所有者が変わるなどしても国への届け出がされなかった結果、所在が分からなくなっているものも含まれているとみられています。
事態を改善するため、文化庁は国指定重要文化財の美術工芸品約1万500点の管理状況を全数調査するとともに、所有者に対し国への届け出の徹底を求める措置を取りました。
またインターネットを通じ、国指定文化財の売買の状況や海外流出の状況を把握する措置も取られました。
裁判所も競売を阻止できず
所有者が国の重要文化財を競売にかけてしまうケースも、しばらく前に問題になりました。
重要文化財の所有・譲渡・相続・贈与については、一定程度の固定資産税、所得税、相続税、贈与税の減免などの優遇措置が講じられていますが、競売による所有権移転については、想定されていないため、特に禁止されていません。
このため平成20年に、多額の負債を抱えた滋賀県大津市の寺の債権者が地元の裁判所に対し、重要文化財の指定を受けている建物や庭園などの競売を申し立てたのです。
結局、入札者が他にいなかったため、債権者自身がこれらを約11億円で競落しました。
裁判所は法律上、重要文化財の競売が禁止されていないため、競落を許可するしかありませんでした。
「重要文化財の所有権が競売で移るのは前代未聞」と文化庁がコメントする珍事でしたが、法の不備をかいくぐられてしまったわけです。
海外との骨董品取引もますます盛んに
現在も、競売を回避する法整備はなされていません。
文化大革命時代に日本に流出した骨董品を買い戻す中国人が、テレビで取り上げられていました。
お金が集まるところに骨董品は集まります。
日本から骨董品が流出する時代になったのでしょうか。
骨董品の遺言・遺産分割・相続税における問題
骨董品は動産ゆえに登録制度がありません。
所在も含めて外部から把握することが難しいのです。
それだけに相続税でも問題になりますし、遺産分割においても問題になります。
存否の問題だけではなく評価額の問題もあります。
遺言や遺産分割、相続税において中心的問題になるのは預金や不動産で、骨董品が議題の中心になることは多くありません。
しかしレアケースではあるものの、骨董品が莫大な価値を持つ場合、その存否を含めてしっかりと把握して納得ができる相続にする必要があります。
遺言にしっかりと列挙することも1つの策なのでしょうが、骨董品は遺言にかかれることがありません。
防犯上も秘密裏に所持するものである認識があることも影響しているのでしょう。
盗難などの問題に対応するためにも、なんらかの登録制度があれば安心できるのでしょうが。
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