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【自筆証書遺言は公正証書遺言より信用できる?】遺言無効確認訴訟における遺言能力の正しい判定方法[POSTED]:2018-08-20
自分で「書く遺言」ならぬ受益相続人によって「書かせられる遺言」の実態は、どのようなものなのであろうか。
実は遺言作成者本人は、遺言作成のプロセスに関与していない。
そして形式としては公正証書遺言を利用するのが一般的である。
公正証書遺言というとその厳格なイメージから、遺言者本人の意向を無視できないイメージだが実態は違う。
遺言文案作成過程において本人の介在は皆無でも、受益相続人が公証人と連絡を取って文案が作成される。
特に病院や自宅などに公証人が出張して作成する場合、極端なケースでは遺言者が唐突に遺言作成を知らされ、中身もよくわからぬまま署名をすることもある。
遺言内容の読み聞かせは一応するが概括的な説明にとどまり、遺言者がよく理解していなくても見逃されている、との指摘もある。
病気で手が動かせない場合は公証人が代理で署名をしてくれる。
病気で手が動かないのか、認知症が進んでいて手が動かせないのか、微妙な事案もあるかもしれない。
公正証書遺言なだけに遺言能力があることは推定され、遺言無効訴訟を提起されたときには強い。
どうして自筆証書遺言ではなく、費用も手間もかかる公正証書遺言を作成するのだろうか。
親に自分の意に沿う自筆証書遺言を作成させる場面を想定するとわかる。
口で遺言内容を伝えて書き取らせたり、下書きを書き写させる作業は簡単ではない。
長文になればなおさらで、書き取らせているうちに違和感を感じさせて、ほかの相続人に対する配慮から遺言作成を中止されてしまうリスクもある。
内容もわからぬまま署名だけをさせる、時には署名すら代筆で済ませることができる公正証書遺言のほうが、シャンシャンと済ませられる。
自筆証書遺言は公正証書遺言よりも一般的に遺言無効になりやすい。
本当だろうか。
公正証書遺言を神格化する傾向は、見直されてもいい。
もっと遺言を個別に判断する。
長文なのか。内容がシンプルか。作成経緯は自然か。家族の状況から無理がないか。
自分の手でここまで書いているからこそ、システマティックに作成された公正証書遺言よりも信用できる。
自筆証書遺言の評価は細かくみていくべきである。
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