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【遺産分割における養子の制限とは異なるので注意】相続税法上の養子のカウント制限[POSTED]:2019-01-16
有効な養子縁組でも、相続税の控除は認められないことも
相続税の基礎控除を計算するにあたっては、養子のカウントに制限が課されています。
実子がいる場合には、1人までしか基礎控除に加えることができません。
実子がいない場合には2人まで基礎控除に加えることができます。
例えば、長男と二男がいて、長男の嫁も、長男の子も同時に養子にしても、基礎控除においては、嫁と孫のうちの1人までしか算入できないのです。
これは養子の数に制限がなかったバブル期に、たくさんの養子を加えることによって、相続税課税を免れようとした事例が相次いだためです。
もっとも、養子の数を法定相続人の数に含めることで相続税の負担を不当に減少させる結果となると認められる場合には、養子は1人も認められないことになりますので注意が必要です。
課税実務においては、養子縁組の経緯や生活実態などを踏まえて、税負担を不当に減少させる場合には養子を控除対象にはしないという対応がとられています。
つまり、民法上は節税目的を併存した養子縁組が認められますが、税務上は認められないこともあるのです。
養子縁組自体は有効であっても、控除は認められないということもあり得ます。
遺留分封じの養子縁組には制限がない
勉強されている方は、遺留分封じで養子縁組の話をすると、この場合も制限が課されるのではないかと疑問を持つようです。
つまり、実子がいる場合は1人までしか養子がカウントされないのではないか…と。
確かに、相続税の基礎控除の計算において、法定相続人にカウントできるのは実子がいる場合に1人までです。
ただしこのことは、そもそも実子がいる人間は養子を1人しかとれないということではありません。
基礎控除の計算においてカウントできなかった養子が、遺留分の関係においても養子としてカウントできないということではないのです。
相続税と遺産分割は二元的に考えるべき
税務と法務の二元性は随所で見られますが、ここでも同様です。
遺留分の計算において、養子の数に制限は特に課されていません。
徴税確保の要請と、私人間の私的な遺留分の話は、別だからです。
特に、養子縁組には縁組意思があればよいという判例の考えが明らかになっている以上、相続税の話と遺留分の話が別の場面の話であることは、ますます明確になったといえます。
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