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【相続税評価と遺産分割では財産評価基準時が異なる】相続税納税額の確定と遺産分割協議[POSTED]:2018-10-06
相続税評価額の基準時は相続発生時
相続税は相続開始があったことを知った日(通常は被相続人が亡くなった日)の翌日から10カ月以内に、現金で一括して支払わなければなりません。
例えば、被相続人が12月1日に亡くなった場合には、翌年の10月1日までに納税額全額を現金で支払わなければならないのです。
ちなみに、相続税の申告書の提出先は、被相続人の死亡時における住所地を管轄する税務署ですから注意が必要です。
申告義務者の住所地を管轄する税務署ではありませんから気を付けましょう。
相続税の納税までには10カ月で解決する必要がありますので、迅速な税の徴収という点から考えても、相続税については相続発生時の時価で評価するということは無理からぬことだといえるでしょう。
そもそも法的に考えると、相続人は相続財産を共有していることになります。
遺産分割は具体的な取り分を決める話合いというだけであって、遺産分割が完了していない状態であっても、相続人は相続開始時より相続財産を他の相続人と共有しているのですから、相続人は共有持ち分について相続財産を取得したことになります。
遺産取得税方式を採用しているわが国において、財産を取得したことになる相続開始時点での評価額に基づいて相続税を計算することは、整合的であるとも考えられるのです。
遺産分割における相続財産評価額の基準時は分割成立時
それに対して遺産分割の相続財産の評価は結論からいうと、遺産分割の協議がまとまった時点が基準となります。
遺産分割には期限がなく、極端な話、解決するまでに100年かかったとしても、何ら問題はありません。
実際に、何代にわたっても遺産分割が完了しておらず、明治時代から土地の登記が未分割の状態のままになっている例もあります。
最終的な取得額は遺産分割協議により決まりますし、その遺産分割協議には法律上期限が定められていないわけですから、遺産分割の終了時における財産価値を前提に評価額を決めることはむしろ必然であるといえますし、何ら不合理なことではありません。
むしろ遺産分割終了時を基準に評価額を決めることにしないと、遺産分割を考える際に、不動産がいくらだからもらう、株が上がっていてこのくらいの価値になるのでもらうという判断ができず、適切に分割方法を決定することができないことになります。
もしも相続開始時を基準にして相続財産を評価し、その評価に基づいて遺産分割することになると、相続開始時の価格をもとに考えて、まさに遺産分割協議を行っている時の価格との差を考慮したうえで、現在の財産価値に引き直すなどの複雑な計算を経なければならないことになってしまいます。
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