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【一人暮らしの老人の場合には注意が必要】老人ホームに入居しても相続税申告において小規模宅地等の特例は適用できる?[POSTED]:2019-05-30
相続税対策と老人ホームへの入居
被相続人が老人ホームに入所した場合、自宅は小規模宅地等の特例を受けられるのでしょうか。
配偶者や娘と同居している状況で、被相続人が病気や事故で精神や身体に重い障害を抱えたり、認知症を患ったりするなどして特別養護老人ホームに入らざるを得なくなったとしましょう。
そのまま被相続人がホームで亡くなったとしても、自宅は特例の適用を受けられます。
適用を受けるためには、「被相続人等の居住の用に供された宅地」という適用要件をクリアする必要がありますが、「被相続人等」というのは、より正確に言えば「被相続人または被相続人と生計を一にしていた親族」です。
被相続人はもちろん、扶養家族として生計を一つにしていた配偶者や娘にとっても生活の拠点だった場合、「被相続人等の居住の用に供された宅地」という要件に当てはまります。
一人暮らしの老人が老人ホームに入居した場合の不動産相続
では、たとえば妻に先立たれて娘も独立したので、一人暮らしをしていた被相続人が老人ホームなどの施設に入所して、そこで亡くなった場合はどうでしょうか。
このケースでは、生計を一つにしている親族は同居していません。
被相続人が施設に引っ越した後、自宅は空き家になっているわけです。
被相続人がまだ元気なうちに「余生を仲間と楽しく過ごしたい」などと考えて老人ホームに移った場合、生活拠点は自宅から老人ホームに移ります。
そのため、被相続人の自宅は小規模宅地等の特例の対象にはならないというのが一般的な考え方です。
しかし、常時介護を受ける必要があるために、止む無く自宅を離れて特別養護老人ホームなどに入所する場合もあります。
そこで老人ホームなどに入所したことによって、被相続人の居住の用に供されなくなった家屋の敷地について、以下の要件が満たされれば、被相続人の居住用宅地として小規模宅地等の特例の適用が受けられるようになりました(平成26年1月1日以降の相続に適用)。
①被相続人の介護が必要なため入所したこと
②自宅が貸付け等の用途に供されてないこと
平成25年の税制改正で小規模宅地等の特例の適用要件が緩和されて、老人ホームなどに入所した場合でも、随分、特例の適用が受けやすくなりました。
改正前は被相続人がいつでも生活できるように建物の維持管理しておかなければならなかったり、被相続人や親族が老人ホームの所有権や終身利用権を取得してはいけないことになっていたりしましたが、平成26年1月1日以降の相続ではそういう要件は不要になりました。
不動産相続における特例の適用対象となる老人ホーム
改正前はどういう老人ホームなどが適用対象になるのかわかりにくい点もありましたが、これが改正によって明文化されました。
要介護認定、または要支援認定を受けていた被相続人が以下のような住居または施設に入居、入所した場合、特例の適用対象になります。
・認知症対応型老人共同生活支援事業が行われる住居
・養護老人ホーム
・特別養護老人ホーム
・軽費老人ホーム
・有料老人ホーム
・介護老人保健施設
・サービス付き高齢者向け住宅
・障害者支援施設または共同生活援助を行う住居
親が老人ホームなどに入居する際、どういう施設なのか、家族でよく確認したほうが良いでしょう。
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