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【贈与者ごとに課税方法を選択することも】贈与税の課税方法には2つある[POSTED]:2019-03-25

【贈与者ごとに課税方法を選択することも】贈与税の課税方法には2つある

贈与税の課税方法

「相続時精算課税制度」は若い世代への資産移転を促すことを目的に平成15年に創設された比較的新しい制度です。
贈与税の課税方法には「暦年課税」と「相続時精算課税」の二つがあります。
暦年課税は、ある年の1月1日から12月31日までの「一年間」を区切りとした課税制度です。
一年間に贈与を受けた財産を合計して、その年間合計額が基礎控除額の110万円を超えなければ贈与税は発生しません。
一方の相続時精算課税は、簡単に言えば、相続税と贈与税を一体化させて精算しようという制度です。
生前贈与された財産を、いわば「相続財産の前渡し」と見なして、一定額までは贈与時には課税せずに、相続が発生したときに贈与を受けた財産を相続財産に合算して相続税を計算する、という制度設計になっています。

相続時精算課税制度の活用

相続時精算課税制度では「通算」で2500万円までの生前贈与(相続発生までの累計額)が非課税になります。
つまり2500万円以内であれば、贈与時に贈与税の支払いが生じません。
2500万円の非課税限度額を超える部分に関しては一律20%の贈与税がかかってきますが、それでも暦年課税よりもかなり低い税率に抑えられています。
納付した贈与税については、相続時に精算するときに相続税から差し引かれるので、二重課税の心配はありません。
すでに納付した贈与税額が相続税額を上回っている場合には、その差額が払い戻されます。
なお相続時精算課税制度では贈与財産の種類、金額、回数についての制限はありません。
生前贈与を受けた人は、「暦年課税」か「相続時精算課税」か、好きなほうを選べます。
ただし、相続時精算課税制度には、贈与者は「60歳以上」、受贈者は「20歳以上の贈与者の子または孫」という適用条件があります。
よって父親から生前贈与を受けても、子どもが成人するまでこの制度を選択できません。
この制度は、生前贈与を活性化させて、若い世代への財産移転を促すのが狙いです。

相続時精算課税制度を選択すると暦年課税に変更できない

相続時精算課税制度を活用するときに注意しなければいけないのは、一度、この課税方式を選択すると、その年以後、贈与者が亡くなるまで継続して適用されるということです。途中で暦年課税に変更することはできません。
110万円まで非課税という暦年課税の基礎控除を利用した節税は、二度とできなくなるので、これを最大限利用して計画的に節税したい人には不向きといえます。
しかし、60歳になるまではコツコツと110万円以内の贈与を続けて、60歳を過ぎてから相続時精算課税を選択して、まとまった財産を贈与するという方法もあります。
節税の観点からすれば、相続時精算課税にするか、暦年課税にするかは、贈与者ごとに選択できるのも魅力です。
たとえば、父親からのまとまった贈与には相続時精算課税を選択して、母親からは暦年課税で毎年110万円以内の贈与を受けてもいいのです。
もちろん、双方からの贈与に相続時精算課税制度を使っても構いません。
一人当たりの非課税枠2500万円なので、2500万円×2=5000万円まで、贈与税を課せられずに生前贈与を受けられます。

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