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遺産分割で漏れた財産【遺産分割協議書の書き方に注意】[POSTED]:2019-07-30
遺産分割で漏れた相続財産
長かった遺産分割協議もようやく決着がついて、遺産分割協議書が出来上がった。
安堵の気持ちから安心していると足元をすくわれかねないことになる。
遺産分割における財産目録に記載されていない相続財産がのちに見つかることがあるからだ。
遺産分割調停にかかってしまうと1年以上も解決に時間がかかるが、
その時間をかけてもすべてが解決していないことになる。
遺産分割協議で一部の相続財産が漏れた場合は結局、漏れた部分について遺産分割協議をやり直すことになる。
遺産分割協議で漏れるのは主に不動産だが預金も漏れる
遺産分割協議書や遺産分割調停の調停調書から漏れてしまう相続財産は多くの場合、不動産である。
不動産のような大きな財産的価値を持つ相続財産が漏れるはずがない。
被相続人がどこにどの不動産を持っているかを把握していないということはありえない。
そう思うかもしれないが、実際に不動産はよく遺産分割協議書から漏れる。
この不動産と認識されている、利用されている不動産が丸々漏れることは珍しいが、
不動産全体ではなく、不動産の一部が漏れることがよくある。
私道部分であったりマンションの敷地の一部であったり。
私道部分については筆が別になっていることもあり、相続財産目録から漏れやすい。
古いマンションの場合は敷地の権利が複雑になっている。
中には敷地権として一体化していなくてもマンションの管理組合で隣地を買い取った場合に区分所有者の共有にしているものもある。
土地の複雑な来歴が相続財産からの漏れを誘発している。
税理士も弁護士も相続人も、存在を認識していなかった相続財産である。
また預金も把握していないものが発覚して漏れることがある。
改めて遺産分割協議になることも
相続財産目録から漏れていると、遺産分割協議で決着しないので漏れている相続財産について改めての遺産分割協議をすることになる。
長くかかった相続や遺産分割協議では、相続人間の感情的な対立が深刻化していることもあり、改めての遺産分割協議になりやすい。
私道部分やマンションの敷地の一部については、私道を利用する不動産やマンションを相続した相続人でなければ特に必要としない相続財産である。
にも拘らず、任意での遺産分割協議に応じないのは嫌がらせとしか言いようがない。
しかし遺産分割協議後も相続税申告などで協力をしないなどの事情があれば、感情的な対立が深化してしまう。
それぞれの相続人に事情があることもある。
不動産の漏れなどその余の財産の帰属で解決できないことも
遺産分割協議書ではよく、新たな財産が見つかった場合は特定の相続人が相続する旨の条項を設けることがある。
さらっと流されて問題にされないのであればよいのだが、もめにもめた相続人同士の遺産分割協議の場合、新たに相続財産が見つかった場合に特定の相続人が独り占めする旨の遺産分割協議が成立しにくい。
相続財産をもらえないことになる相続人が、隠し財産があるのではないかといぶかしがるからである。
またこの条項があるために、私道部分やマンションの敷地が、不動産を相続しなかった相続人が相続することになったら、不動産の共有問題が新たに勃発する。
相続財産目録を作成する場合はよくよく注意して、相続財産目録から漏れないように注意が必要である。
遺言を作成する際にも注意が必要で、私道部分を相続財産目録から書き漏らしてしまうことはよくあるので注意したい。
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