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【どうしても特定の相続人に財産を渡したくない場合に】遺産分割の遺留分封じとして生命保険を活用[POSTED]:2019-01-06
相続税の節税のみならず遺留分封じとして活用
生命保険の受取金は、特殊な地位を示す財産です。
相続財産ではないものの、相続税の対象にはなる。遺産分割においては、例外的な場合を除いて、対象にはならない。
この特性を利用して、遺留分を封じるために生命保険の受取金を利用することが可能です。
どうしても特定の相続人に対して財産を渡したくないという場合があります。
例えば、二男に財産を渡したくない…そうした場合は、遺言を書いて、二男のもらう相続財産をゼロにすることを考える方もいるはずです。
このような場合に足かせになるのが遺留分です。
遺留分とは、遺言によっても奪うことができない相続人の持つ最低限の取り分のことです。
兄弟姉妹以外の相続人に認められ、通常は法定相続分の半分までが具体的相続分として確保されます。
遺留分を侵害する遺言も有効
ちなみに遺留分を侵害する遺言も、それだけで無効になるわけではなく、遺留分を侵害された相続人が、減殺請求をして初めて、遺留分の限度で遺言が影響を受けることになっています。
遺留分請求を受けることを前提にした遺言も、有効な遺言なのです。
遺産分割における遺留分の計算方法
この遺留分ですが、特定の相続人に相続させたくないときには、邪魔な制度といえます。
この遺留分を封じるためにはまず、相続財産を減らすことです。
遺留分の計算方法は、次のとおりです。
遺留分額=※遺留分算定の基礎財産×個別的遺留分
※遺留分算定の基礎財産=相続開始時において被相続人が有していた財産の価額+贈与財産の価額-相続開始時において被相続人が負っていた債務
詳しく見てみましょう。
遺留分算定の基礎財産は、相続開始時において被相続人が有していた財産の価額に贈与財産の価額を加えた合計額から、相続開始時において被相続人が負っていた債務を控除して算定します(民法1029条1項)。
あらゆる贈与が基礎財産に加算されるわけではありません。
特別受益に該当する生前贈与に加え、相続開始前の1年間になされた特別受益に該当しない生前贈与(同法1030条前段)や遺留分権利者に損額を加えることを知ってなされた特別受益に該当しない贈与(同条後段)に限られます。
つまり、特別受益に該当する贈与はどのような場合でも遺留分算定の基礎財産に加算されますが、特別受益に該当しない贈与であれば、相続開始前1年間になされたものか、遺留分権利者に損害を加えることを知ってなされた贈与だけが基礎財産に加算されるのです。
個別的遺留分は、総体的遺留分×法定相続分の割合で算出します。
総体的遺留分というのは、民法が定める遺留分の割合です(同法1028条)。
具体的には、直系尊属のみが相続人である場合は基礎財産の3分の1、その他の場合は基礎財産の2分の1と定められています。
なお、兄弟姉妹には遺留分は認められていません。
各相続人の遺留分割合である個別的遺留分を算出するには、この総体的遺留分に法定相続分を乗じる必要があります。
相続財産を減らせば、遺留分対策になる
このように、遺留分は遺留分算定の基礎財産に基づいて算出するものです。
この遺留分算定の基礎財産が小さければ、必然的に遺留分も小さくなります。
ですから、相続財産を減らすことができれば、遺留分も減るのです。
生命保険の受取金は、相続財産ではありませんから、遺留分の対象にもならないのです。
遺留分の計算対象はあくまで相続財産ですから、相続財産ではない生命保険の受取金をいくらもらったところで、遺留分には関係ありません。
保険会社からもらえる受取金は、遺産分割とは無関係にもらうものなのです。
つまり、遺留分を計算する際に除外される生命保険の受取金を多くすることで、遺留分侵害を避けることができます。
高額の生命保険に加入することで、相続財産を少なくするのです。
生命保険は受取人ではない法定相続人には知られずに、受取人がもらうことができます。
ですから遺産分割の際にも特に、争いを誘発せずに、受取人が高額の受取金をもらったことを公にせずに済ませることができるのです。
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