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【相続税の申告期限を徒過してしまうデメリットも】遺産分割で時には時間を稼ぐ弁護士[POSTED]:2019-02-13
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遺産分割には締切りがない
弁護士は遺産分割事件を早く解決する責務を負っているといえるでしょう。
訴訟経済といって、時間的に合理的な訴訟を行うことが民事訴訟では要請されています。
昔の裁判はひどかったと聞きます。趣味や人柄など、事件の本筋と全く関係のない話が延々と続く裁判がたくさんあったようです。
今では民事訴訟法も新法が制定されて、迅速な裁判を心がけるようになりました。
弁護士の事務所経営の観点からしても、訴訟が長引くと厳しくなります。
たいていの弁護士は着手金と報酬金の体系で事件を受任しているので、あまりにも事件が長くかかると報酬金が入ってきません。
売掛金があっても回収ができていないと企業は倒産します。
黒字倒産です。
絶対に勝てる裁判でも、判決をもらわなければ、報酬金がもらえない。
これでは事務所経営が難しくなります。
しかし、弁護士の担当する遺産分割には締切り効果がありません。
相続開始から10カ月以内という締切りが設定されている相続税の申告と異なり、弁護士が担当する遺産分割には期限がありません。
期限がないというのは文字どおり、いつまでかかっても構わないということです。
実際に1つの遺産分割事件が10年以上かかることもあります。
遺産分割調停は1年以上かかるのが通常
どれだけ時間がかかっても相続財産を時効取得することは考えられません。
不動産登記簿を見ると昭和から全く登記が動いていない土地があるのはこのためです。
ただし未分割のまま相続財産を放置すると、相続が発生する度に共有者がどんどん増えてきます。
ついには収拾がつかなくなりますので、未分割状態の放置はご法度です。
調停にかかる遺産分割事件は、解決までに1年以上かかるのが通常です。
裁判官が裁判の途中で交代することも多く、弁論の更新という手続きで裁判が引き継がれます。
構造的な問題故に長引く遺産分割協議
遺産分割協議の特徴として、全員合意が要求されていることも見逃せません。
合議体の意思決定方法が多数決ではないことは極めて異例なことです。
子どもが被相続人よりも早逝して代襲相続が発生すると、一般的には相続人の数が膨大になります。
相続人の総数が20人弱の遺産分割事件を見たことがあります。
住所もわからず親戚付合いもない人間同士の話合いは困難を極めます。
長引いてしまうには構造的な問題があるのです。
遺産分割ではあえて時間をかけることも
訴訟戦略的に時間をあえてかけるということもあります。
特に相手が解決を急いでいるときなどは、時間をかけても構わないというポーズをとることによって、相手の譲歩を引き出すこともあります。
遺産分割協議が長引くことにより、投資信託などの金融商品の評価が低くなってしまう。
このような場面で、チキンレースを仕掛けたがる依頼者もいます。
レアケースですが、時価によって遺産分割時の価格が決まる財産については、時間をかけた結果、思わぬ利益をもたらすこともあります。
不動産や株式が急騰しており、相続人全員が恩恵に浴することもあるのです。
遺産分割に期限がないことのデメリット
反面、期限がないということは、締切り効果がないということになりますから、不利益が生じることもあります。
当然、遺産分割協議が長引いている間に相続税の申告期限が過ぎることもあります。
一般的に、遺産分割調停に持ち込まれてお互いの主張がぶつかってしまうと、相続税の申告期限は徒過してしまうことが多いでしょう。
申告期限が過ぎてしまうことは、依頼者にとって不利益なので、争いつつもひとまず相続税の申告を済ませることもあります。
もっとも、とりあえずの相続税申告をする納税資金がない場合、相続財産の預金を引き出せないとなると、手持ち現金がない限りやはり付帯税は膨らんでしまいます。
加えて、遺産分割未了では特例が受けられず、納税額も多額になってしまいます。
相続税の手当てを全く考えない弁護士は、遺産分割のことだけを考えて進めます。
もともと弁護士業界は締切りを守らない業界ともいわれており、相続税に対する無知も相まってなおさら頭が回らないのでしょう。
結果、相続税の申告期限徒過や申告漏れが発生し、依頼者にとって厄災となるわけです。
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