姉と同居していた母の貯金額が、働いていなかったのに不自然に多い。姉の夫は税理士なのでだまされないか心配。

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姉と同居していた母の貯金額が、働いていなかったのに不自然に多い。姉の夫は税理士なのでだまされないか心配。

相談者からの相談内容

母の相続についてトラブルを抱えています。 13年前に父が亡くなりましたので、相続人は姉と私の2人です。 父の相続の際、開示されているもの以外に父名義の現預金はないと母から聞きました。 母の死後、遺産の整理をしていると、母名義の預金が5000万円あることがわかりました。 若いころは母も働いておりましたが、これだけの金額を母だけの力で貯めたとは考えられません。 そもそも、本当に父名義の現預金はなかったのか不信感を抱いています。 この5000万円は母の遺産ということになるのでしょうか。   また、姉は鎌倉の実家で母と同居して面倒を看ていました。 49日の会合の帰りに、姉から「お母さんは鎌倉の実家は私にあげると言っていた」と聞きました。 母の遺産は5000万円の預金と鎌倉の実家不動産のみです。 私は都内に自宅を所有していますから、住むところには困りませんが、このままでは預金を私が相続し、鎌倉の実家不動産を姉が相続することになってしまい、とても不公平な結果となってしまいます。   母の面倒を姉に任せていた手前、自分から直接姉にお金の話をするのは気が引けます。 また、姉の夫は税理士ですので、専門用語を使って難しいことを言い、私を丸め込もうとしてくるのではないかと不安です。   これからどのように進めていけばよいでしょうか。      
弁護士からの
一言アドバイス
「学ぶ」コーナーでまずは勉強 頃合を見計らって弁護士に依頼 状況によって弁護士に依頼 至急弁護士に依頼することが望ましい 今すぐ弁護士に依頼することが望ましい
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解決難易度

お母様名義で5000万円の現金があるとのことですが、お母さま自身にも収入があったうえ、お母様の名義である以上、お母様の財産と認められる可能性が高いでしょう。

仮に、名義はお母様になっていたが、実質的にはお父様が貯蓄された現金であった場合には、その5000万円について遺産分割をやり直すことが考えられます。

ご相談者、お母様、お姉様で遺産分割協議を行い、かつ、5000万円がその遺産分割の対象から外れていた場合、5000万円についてもう一度遺産分割をやり直すことになります。

鎌倉のご実家についてですが、不動産を分割する際は、現物分割、代償分割、換価分割という3つの方法があります。現物分割は、どの相続財産を誰が相続するかを現物によって決める方法です。代償分割は、相続人の一人が所有権を全て取得し、残りの相続人が自己の相続分に相当する代金をもらう方法です。換価分割は、不動産を第三者に売却し、その売却代金を相続人間で分ける方法です。相続人同士の任意の話し合いでこの3通りのいずれにするか決まらない場合、遺産分割調停を申し立てるのが一般的です。

遺産分割調停は、裁判所を仲介役とする当事者同士の話し合いであるため、強制力がありません。調停で話がまとまらない場合、遺産分割審判に移行します。審判では、裁判所が強制力をもって不動産の分割方法を決定することになります。

お姉様家族がご実家に住まわれているとのことですから、換価分割の可能性は低いでしょう。そうなると、代償分割となる可能性が高いと考えられます。もっとも、代償分割を選択する場合、不動産の価格をどのように評価するかが争いになることが多いでしょう。したがって、いち早く遺産分割調停を申し立て、ご相談者の主張を明確にしておく必要があります。

今回のご相談のケースでは、遺産分割調停を申し立てていくことが有効といえそうです。ただし、遺産分割調停ではおよそ月に1回裁判所へ出向いて話し合いに参加する必要がある上、専門的な書面や資料を作成しなければならない場合があります。さらに、ご相談者の場合、お姉様がお母様の面倒を看ていたという特殊な事情があり、法律の専門知識を使った議論をしなければなりません。お姉様のご主人も口を挟んでくるでしょう。遺産分割手続は時間と労力だけでなく、専門知識をも要する作業ですので、遺産分割の話し合いに精通した弁護士にお任せになるのがよいと考えます。

 

ここがポイント!

不動産を分割する際は、現物分割、代償分割、換価分割という3つの方法がありますが、不動産相続においては不動産の価格がもめる原因となります。遺産分割調停を申し立て、ご自身の主張を明確にしておく必要があります。

[投稿日]: [投稿者]:永田町法律税務事務所

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