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Q1.妻の連れ子に財産を残したい。妻の連れ子に財産を残したい。どのような方法があるか。[POSTED]:2019-06-15
養子縁組or遺贈。生前贈与という手もある。
妻の連れ子は法的には赤の他人である
そこから出発すると、相続人にはならないので何もしなければ財産を渡すことはできない。
相続人ではないので財産が相続で渡ることがない。とすれば、相続人にしてしまうことによって、相続財産が渡ることになる。
どのようにしたら相続人にできるのだろうか。
養子縁組という制度がある。
養子縁組をすることによって、実子と同じ地位を得ることになるので、連れ子も相続人の地位を得ることができる。
養子と連れ子とで何か変わるところがないかといえば、全くない。
よく嫡出子と非嫡出子との区別が話題になることがあるが、養子は嫡出子としての地位を得るので、非嫡出子として扱われる不利益もない。
ちなみに嫡出子と非嫡出子であるが、法定相続分において非嫡出子が嫡出子の半分とする民法の規定が廃止されたことによって、法的な意味での不利益はなくなった。
妻との間に実子がいた場合、実子と連れ子が分け隔てなく育てられるケースもある。
特に連れ子が小さな時に再婚した場合、再婚相手の義父を実父であるかのように思い込む連れ子もいる。
実子と連れ子とで扱いを変えず、理想的な再婚生活を送ってきた過程だからこそ、連れ子が義父を実父と思いこんだのだろう。
依頼者の中にも義父を実父であると思い込んで育った後に、出生の事情を聞かされてショックを受けた方がいる。
出生の事情についてはよくよく注意して話さないといけないことがよくわかる。
養子にすることで法定相続人になるので、相続人として相続させることができる。
もう1つの方法は遺贈である
遺言に書くことによって、相続人以外に対しても相続財産を与えることができる。
似た概念として死因贈与があるが、これは贈与契約をしつつも、死亡をしたときに財産が渡るように停止期限付にするものである。
遺贈をすることで養子にしなくても相続による財産を渡すことができる。
さらにまた別の方法として生前に贈与をすることも可能である。
端的に生きているうちに贈与をすることで財産を渡すだけの話である。
注意しておきたいのは贈与は契約なので、あげる人ともらう人の意志の合致がないといけない。契約書を作成することで医師の合致があったことについて証拠を残しておかないと、後々に贈与自体が否定されて贈与したつもりになっていた財産が相続財産として扱われれることになりかねない。名義財産の問題であるが、税務調査によって問題になることが多い。
名義財産とみなされないためには、贈与契約書の作成以外にも、贈与税を支払っている、受贈者が自分の財産として扱っているなどの状況が必要であり、これがないと、遺産分割においても名義財産性を争われることになりかねない。
養子縁組をしたうえで相続人として相続させる。遺言を書いて遺贈をする。生前に贈与する。連れ子に財産を残す手段が複数あることは確認できたが、どの方法が一番良いのだろうか。
結論からするとどの方法も一長一短である。
まず養子縁組。
養子縁組をすることによって相続人として扱うことができるので、相続税における基礎控除など、節税効果は期待できる。ただし基礎控除は実子がいる場合に1人の養子までしか認められないので注意が必要である。
また養子とすることで実子との区別をすることなく扱うことができるので、連れ子が気後れしない効果もある。
ところが養子縁組は取り返しがつかない影響を与えることもある。連れ子を連れた妻と再婚したが不仲になり、離婚をしてしまった。離婚後は連れ子との関係も疎遠になるのが一般的である。
その後再婚した場合に、再婚相手との間に実子ができて幸せな家庭を作ることができた場合、元妻の連れ子と養子縁組していることによって、笑う相続人を抱えていることになる。
自分が亡くなった後に発生する相続について、養子縁組した元妻の連れ子が乗り込んでくるリスクを抱えてしまうことになる。
養子縁組は同意がなければ簡単に離縁できない。
一度養子縁組をしてしまうと簡単には元に戻せないことを覚悟の上で養子縁組をするべきである。
次に遺贈。
遺贈をすることによって、最後の最後まで財産を渡すかどうかを迷うことができる。養子縁組をした場合のように、最初の段階で大きな決断をしなくてもよい。
しかし税制上は不利である。相続人が相続する場合に比べて、基礎控除もない。
連れ子としても相続法上は不安定な地位にあるので、実子に対して気後れを感じるかもしれない。
家族の在り方として血のつながりを重視すれば、遺贈が望ましいということになるだろうが、考え方によっては養子縁組の方が望ましいということになろう。
生前贈与はどうか
生前贈与はどちらかというと、連れ子に対する手当というよりも、他の目的もあって実行されることが多い。
資産の組み換えなども同時に検討されることが多いだろう。
生前贈与はまず相続税に比べて税率が高いのが一般的である。
財産額や贈与の仕方によっては節税効果が期待できることもあるが、連れ子に対しての手当ての話から逸れてしまうので、税率に注意する必要がある点だけ指摘しておく。
生前贈与は理由があって行われることが多い。
連れ子ゆえに生前贈与を行うということは、逆に言うと相続の時に相続できない事情を考慮しての生前贈与ということになろう。
相続はさせないこととセットで行う生前贈与なので、誰にどの財産を渡すかを全体として考えているということになる。このため遺言を作成することも同時に計画されていることが多い。
連れ子をどう扱うかは家庭の事情が大きい。
実子以上に義父との関係が深い者もいるし、母が再婚した年齢によっては岐阜との関係が遠い家族もいる。
家族それぞれの事情を汲んだうえで、適切な方法で財産を承継させる方法を考えるべきである。
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