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Q26.相続対策で現金を捻出する方法[POSTED]:2019-10-20

生命保険。不動産賃料。資産売却はすぐ売れる資産を持つ必要有

相続において現金が必要になることがある

相続手続きなどで現金が必要になることはもちろんである。
葬式などでまとまった現金が必要になることもある。
この場合、猶予はなく、今すぐにお金が必要になっている。
相続人にもともとお金があれば建て替えることができるが、なかなか現金を持ち合わせない相続人が多い。

さらに相続税の納税である。
相続税の納税義務者の範囲が広がったことにより、かなりの方が相続税の納税をするようになった。
そこまで大金持ちではなくても、不動産を持っていることで相続税の納税義務を負うことになる方が多い。
不動産が相続財産の評価額を上げている結果、相続税の納税義務を負うということは、決してキャッシュリッチではないということになる。
極端なケースでは全く現預金がないにもかかわらず、不動産1つで納税義務を負うこともある。
相続税の納税義務は通常、相続発生後10月以内なので、猶予期間としては長くはない。
遺産分割でもめてしまうと、相続財産をあてにした納税ができなくなる。

遺産分割の場面でも現金が必要になる。


不動産や自社株式など、特定の相続人が単独で相続することになる財産については、えてして時価が高く、代償分割になることが多い。
代償分割は特定の相続人が現金を代償金として支払うことになる
この代償金について、代償金を支払うことになる相続人のもともとの固有の財産から支払うことが難しいケースがほとんどである。
代償分割ではなく換価分割をする場合、現金化をするのに手間がかかることが多い。
売りにくい不動産は換価に時間がかかる。
不動産市況にも影響されるが、売りやすい物件のほうが換価に時間がかからない。

相続人がもともと現金を持ち合わせていない場合、生命保険を利用することも考えたい。生命保険は相続発生と同時に現金が入るので、現金が相続財産の資産構成として入っていることと同じ効果を持つ。
それでいながら相続財産そのものではないので、生命保険の受取人のほかの相続人に対する遺留分侵害に影響を与えない。相続財産とは別枠で、特定の相続人に現金を相続させたことと実質的に同じ効果を持つ。

またそもそも現金が資産構成において少ない場合は、現金をたくさん資産として持っておくことも考えてよい。
不動産の持つ相続税の節税効果から、現金から不動産への資産組み換えが推奨されることがあるが、他方で不動産以外に流動資産を持たないことで遺産分割において柔軟性を欠き、納税資金不足を招く弊害もある。
不動産の持つ相続税の節税効果と、流動資産確保の必要性を同時に満たす方法がある。
賃貸不動産を持つことである。

賃貸不動産を持つことで不動産のもつ相続税における節税効果を期待しつつ、賃料収入により流動資産も相続財産の構成として確保する。
賃貸不動産についても小規模宅地等の特例を適用することができる。
以前、不動産は遺産分割において分けにくいからと、所有しているいくつかの不動産をすべて売却して現金に換えたという方がいた。
遺産分割の柔軟性は増したのだろうが、相続税額はかなり多くなったはずである。
不動産と現金を同時に所有することが、賃貸不動産を持つことのうまみである。

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