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Q38.自筆証書遺言で無効にならないか[POSTED]:2019-12-11
無効になるポイント。コスト的に書き直しに便利。専門家による継続的サポート。
自筆証書遺言はあまり勧められていない
無効になるリスクを心配している方もいる。 公正証書遺言がよく利用されるのも、自筆証書遺言では不安であるからなのだろう。
確かに自筆証書遺言は注意が必要なものなので、専門家からするとお勧めしにくい点もある。
財産目録についてワープロ打ちが認められるようになったものの、全文自筆というのはハードルが高い。
日付も忘れてはいけない。
遺言は書き直しが認められていて、複数の遺言内容が矛盾している場合、日付の新しいものが優先する。
だからこそ、日付は絶対に入れる必要がある。
事物の特定も気を付けなければならず、「あの土地」とか「この預金」など記載することはできない。
間違いの訂正にも方式が定められている。
自筆証書遺言に厳格な様式性があることはさておき、実は内容の解釈としては柔軟な一面もある。
できるだけ遺言が無効にならないように、書いてある内容については、できるだけ遺言者の意志を汲み取って解釈して、遺言が無効にならないように配慮をすることになっている。
明らかに言っていることが理解可能であれば、記載の仕方が不明確でも意向を汲み取るというものである。
わざわざ地番を財産目録に記載していない場合であっても「港区の家」と書くことで、他に港区に家を持っていない限り、特定はされる。
自筆証書を書く場合には、絶対にやってはいけない形式的なミスを回避さえできれば、よく言われているほどには厄介なものではない。
自信をもって書くことで、公正証書遺言に比べて柔軟に作成できる。
自宅で、無料で、いつでも作成できることが一番大きい。
証人もいらないので、遺言を作成したこと自体、まさに自分だけの秘密にしておくこともできる。
自筆証書遺言の利用は見直されるべきである。
そもそも遺言作成は一回限りのものではないこと、遺言は作成を重ねるたびに完成度が増すこと、財産や家庭環境が常に変化することなどを考えると、金銭的コスト精神的コスト時間的コストが安価な自筆証書遺言の利用は増えるべきである。
おススメなのは専門家と継続的な関係を築きながら、適宜、遺言を見直していくこと。
専門家がついていれば、致命的な間違いを犯すことで遺言そのものが無効になってしまうミスは防ぐことができる。
特に法務税務の観点から、遺言作成と密接に関連する事業に対する顧問契約をしている場合、できれば遺言作成も含めてアドバイスをもらうべきである。
自社株式の問題や財産状況の問題は、遺言作成にも大きく関わる。
経営者や地主の相続は、会社法や不動産法に詳しい専門家のアドバイスも必要になる。
敷居の高さから敬遠されがちな自筆証書遺言だが、専門家による継続的サポートとセットで考えると、積極的に利用すべきものになる。
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