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Q40.後継者が決まらなくても、遺言を作成すべきか[POSTED]:2019-12-17
後継者を決めるのが先だが、事業をやっている場合、後継者の突然の夭逝もある。他方で創業者の突然死もある。「でもしか遺言」のススメ。
遺言は迷っているうちにも書いた方がよい
いくらでも書き直しができるし、むしろ書き直しを前提にした遺言作成が推奨されるべきである。
遺言に関する一般論としては、すでに指摘しているが、書けと言われてもなかなか書きづらいケースがある。
事業経営者で後継者が決まっていない場合である。
事業承継で後継者が決まらないのは本当に難しい問題になる。
長期的に対策が必要な事業承継であるが、スタートが切れない。
後継者が決まっていたものの、家族間のいざこざが起きたことが原因で後継者を考え直す必要が出てきた。
後継者を決めていたが、後継者である息子が離婚をしたため、孫が息子の嫁に連れ去られてあてがはずれてしまった。
長男の子どもが事故で夭逝したので、二男の子どもを後継者として考え直す必要が出てきた。
今までの計画がとん挫して、全く新しい話を一から再スタートさせなければならない。
後継者が決まっていない場合、遺言を書く必要があるのだろうか。
結論から言うと、遺言はやはり書いておくべきである。
現状のベストチョイスを考えて、とりあえず書く。
何もしないよりは余程よい。
遺言を書く場合、後継者の決定要因になる将来の事実について書けるようであれば盛り込むこともできる。
条件付遺言というが、このような利用方法もある。
クリニックを経営している院長が、医師である長男を後継候補としていた。
ところが長男が離婚。
長男に子供はいない。
長女の夫も医師で、長女夫婦には子供もいたが、岳父である院長とは馬が合わなかった。
そこで院長は、長男が相続発生時までに結婚して子供ができていたら長男にクリニックを、子供ができていなければ長女にクリニックを相続させる旨の遺言を作成した。
医師の場合、ライセンスを取得できるかどうかで後継者にできるかが決まる。
クリニックについては、浪人中の長男が医師になっていたら長男に、医師になっていなかったら医師と結婚した長女に、それぞれ相続させる。
義理の子ともではなく、自分の本当の子どもが医師になってクリニックを承継させることを希望する意思は多い。
このような条件付遺言に対するニーズが高いのが、医師の遺言の特徴である。
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