sozoku.com相続専門の弁護士・税理士による
ワンストップサービス

相続Q&A 遺産相続の弁護士・税理士相談はお任せ下さい|sozoku.com

Q51.遺留分はどうしたらよい[POSTED]:2020-01-22

遺言無効を主張する場合矛盾挙動だが、念のために主張しておく 相手としてもプレッシャーに感じる。

よく遺言無効確認訴訟を提起したいという方については相談を受けることがある。
遺言無効確認訴訟に負けてしまった場合にも遺留分を請求したいという相談内容である。
ところが 疑問があり、 遺言無効確認訴訟と遺留分減殺請求権は無事にするのではないかというものである。

確かに遺言無効確認訴訟は遺言が無効であることを前提として提起するものである。
これに対して遺留分減殺請求訴訟は遺言が有効であることを前提として、有効である遺言による侵害された遺留分を取り戻すべく、遺留分を確保するために 提起するものである。
そうすれば遺言無効確認訴訟 と、遺留分減殺請求権は、遺言の有効無効という前提が矛盾することになる。

遺言無効確認訴訟は統計上は、そこまで勝つ確率が高くはない。
一旦遺言が出来上がってる以上、遺言が無効であることを積極的に主張していかなければならず、主張立証に失敗してしまうと遺言が有効になってしまう。
とすれば遺言無効確認訴訟に負けてしまった時の場合のことも、保険として考えておく必要がある。
そこで予備的に、 遺言無効確認訴訟に負けてしまった時に備えて、遺留分減殺請求権を請求しておく。

問題は遺留分減殺請求権が時効にかかってしまうことだ。
遺留分減殺請求権は自分の遺留分が侵害されたことを知った時から1年間で時効にかかってしまう。
遺言無効確認訴訟を提起している間は、遺言が無効であるという前提に立っているので、遺留分が侵害されている意識を持つことは不可能である。

そこで通常は、遺言無効確認訴訟に負けてしまった時から時効が進行するという風に考える。
遺言無効を主張している間は、遺言の有効性を前提にしたいりゅ分減殺請求を主張することが期待できないからである。
実際の裁判でも、遺言無効確認訴訟が提起されている間は時効が進行しないという風に扱われている。
ただし明らかに負けてしまう遺言無効確認訴訟を提起した場合には、 無効確認訴訟を提起している間も、時効が進行するとしている裁判もある。

結論として、遺言無効確認訴訟を起こしてる間は、 遺留分減殺請求権の時効は進行しないと考えても良いのだが、完全に大丈夫であるということは言えない。
後からになって遺言無効確認請求が、スラップ訴訟とされるリスクもあるからである。

そこで遺言無効確認訴訟を起こすタイミングで、あるいは遺言無効確認訴訟を起こす前に、 遺留分減殺請求を内容証明で送達しておくべきである。
時効にかかってしまっては大変である。
実務上も、遺留分減殺請求は、遺言無効確認と同時に主張することが多い。
相談者としては、今から遺言無効確認訴訟を起こすにも拘らず、弱気に見えるかもしれないが、のちのちに遺留分減殺請求の事項主張を封じることの必要性からすると仕方がない。
遺言が有効であることを自白することにならないかという相談者の不安もあろうが、遺留分減殺請求を念のために主張したところで、遺言無効確認訴訟にマイナスの影響もない。

遺言無効確認訴訟を起こしておきながら、遺留分減殺請求を主張することは、いささか迫力に書くのであるが、やむを得ない。
また相手に対するプレッシャーとしても、 遺言無効確認訴訟に続いて、 第2弾としてイレブン減殺請求権があるということを宣言しておくことは、プレッシャーをかけるという意味で必要なことである。

この記事と
関連性の高いページはこちら

遺言の弁護士.com

遺言のことなら『遺言の弁護士.com』

だましうちで遺言を書かせる。財産の不正操作の常とう手段です。遺言無効確認の訴えや、遺留分減殺請求などにより、財産の不正操作と戦います。

遺産分割の弁護士.com

遺産分割のことなら『遺産分割の弁護士.com』

預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。

ページトップへ戻る

相続Q&A』のその他の記事

Q79.ルーズでレスが遅い当事者が多数いる。どうしたらいいか
代償分割を活用する 相続手続きは当事者が多数いるため、ただでさえ時間がかかる 銀行に銀行口座の解約を申し出る、証券会社に証券口座の解約を申し出るなど、そのたびに委任状が必要になる。金融機関特有の委任状が求められることもあります。また、担当者が不慣れなときなど、必要書類がころころと変わることもある。いずれも、仲が良く、普段からコミュニケーションをとっている家族同士であれば問題はないかもしれないが、弁護士事務所に来ている時点で、少なくとも潜在的には問題を抱えている方が多いと考え…
2020-04-16 [ 相続Q&A ]
Q78.遺産分割調停で、相続財産の調査や開示命令がなされることはあるか
基本はないので、開示せざるを得ないように追い込む 遺産分割調停に持ち込む事件のうち、すべてが証拠は完璧に揃っているわけではない むしろ証拠が硬くないからこそ裁判ではなく遺産分割調停という手段を選択するという事件もある。 証拠がかたくない事件において裁判をすると、証明責任を負う通常は原告が敗訴をする。証拠がかたくない事件において調停を申し立てると、相手が妥協をしない限りやはり不調停に終わる。当たり前だが、裁判制度は本当にあった真実を映し出す鏡ではない。あくまでも証拠で…
2020-04-13 [ 相続Q&A ]
Q77.不正出金を追及する方法
銀行調査・異なる申告による税務調査 不正出金を追求する方法はないのか 生前に被相続人の預金口座から多額の出金がなされている。なんとか追求したいがどんな方法があるのかという相談を受けることは多い。 全体として銀行口座の調査ができるのは、被相続人の口座のみである。不正出金をしたと疑っている人間の口座を調査することはできない。弁護士による調査方法には限界があることを相談者には説明をしているが、不正出金をした人間の口座を直接調査ができると思っている相談者は多い。相続税の税務調査に…
2020-04-10 [ 相続Q&A ]
Q76.複数の相続人が1人の弁護士を代理人とすることはできるか
できるしそのほうが効率的 昔、弁護士が全くいないかいても一人しかいない地域をゼロワン地域と言った 弁護士会はゼロワン地域の解消を提唱し、弁護士の増加とともにゼロワン地域は減っていった。ゼロワン地域は現在、存在しない。どうしてゼロワン地域は存在してはいけないのだろうか。 まず弁護士が0の地域は、司法サービスが行き届いていないということになり、そのこと自体が問題になるということはわかる。ただ一人しか弁護士がいないゼロワンのワンの地域はどうしてまずいのだろうか。弁護士が一人しか…
2020-04-07 [ 相続Q&A ]
Q75.不動産の評価額について合意が取れなかった場合はどうするか
鑑定士による評価に。コストがかかるので怖気づく当事者がほとんど。 遺産分割において不動産の評価額は争いが起きるポイントの一つである 不動産を取得するものはできるだけ不動産価格を低く評価する。逆に不動産を取得しないものは、不動産をできるだけ高く評価することによって、代償金を多く受け取ろうとしたり、不動産を取得したものに対し他の財産を取得させないようにするだろう。 不動産の評価額は相続税申告において路線価に基づく一点の計算式が確立している。ところが相続税申告の相続税評価額にお…
2020-04-04 [ 相続Q&A ]
ページトップへ戻る
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。

無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争には参加せず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある相続事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は電話相談(初回15分)・メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話相談(初回15分)で対応します。

相続税を納める必要があり、
かつ遺産分割でもめている方は相談無料

来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
相続税の納税義務があり、
かつ遺産分割でもめている事件
無 料1時間:62,000円税別電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
内容証明が届いた事件1時間:12,000円税別
※来所困難な方に限り、
1時間30,000円税別にて
電話相談に応じます。
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:50,000円~税別1時間:100,000円~税別
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:100,000円~税別1時間:150,000円~税別
来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
内容証明が届いた事件1時間:
12,000円(税別)
※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。
電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:
50,000円~(税別)
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:
100,000円~(税別)
来所予約・お問い合わせ
03-5532-1112 9:00~18:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。
商標登録を行いました「磯野家の相続」