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Q67.法定相続分にこだわることのデメリット[POSTED]:2020-03-13
トータルな損得を考えるべき(納税額も含めた)
法定相続分はもらう権利がある
これは間違いないが、金科玉条のように法定相続分にこだわってしまうと、なかなか遺産分割協議がまとまりにくい。
1円まで突き詰めて、損得勘定を計算している相続人もいるが、法定相続分へのこだわりを、ある程度は諦めた方が良い場合もある。
まず法定相続分にこだわってしまうと、 遺産分割協議がまとまりにくい。
ある部分では妥協をして、 早期の解決を図るということも一つの方法である。
端的にあまり欲張らない方が良いということも、 法定相続分にこだわらないほうが良い理由 でもある。
ところが法定相続分にこだわらない方が良い理由は、もっと合理的な点から言っても砂糖する話なのだ。
損して得取れとはよく言ったもので、一間損をしてるように見せて、実は得をしているようにして遺産分割協議の実質的な勝者になる。
この意味で法定相続分にこだわらない方が良いのである。
どういうことかというと、 相続税の納税額も含めたトータルな出費を計算をし、自分が実質的にネットでどれだけの財産を取れるのかということを考えるべきなのである。
相続税課税額の計算の仕方においては、 一般的に不動産が有利であると言われている。
いわゆる取引価格よりも更地で約2割安くなる。
貸していることでさらに安くなり、小規模宅地等の特例などでも有利に課税額が計算される。
取引価格と相続税の評価額との差は、遺産分割において通常は考慮されないことが多い。
もちろん考慮した上で遺産分割の分割方法を決めても良いのだが、 そこまで考慮しているとなかなかまとまらないのが実情である。
加えて、 遺産分割の代理人である弁護士は相続税額についてまでは 考えないことが多い。
本当は相続税の特例を考慮した、トータルでいくら払うのかいくらもらうのかを考えた遺産 分割案が望ましいだろう。
ただし相続税の特例でも、配偶者特例のように一定の身分にあることを元にして優遇されるケースや、不動産のように一定の財産 を取得することによって、その財産が相続税で優遇されていることを原因で優遇されるケースは、一律に論じられない。
前者について、遺産分割上考慮することはなかなか難しいだろう。
配偶者特例を受けるからといって、そのぶん免除された相続税の支払いを、遺産分割において考慮するということはなかなか納得を得られるものではない。
それに対して後者については、遺産分割上考慮したっておかしくはない。
むしろ考慮しなければ本当の意味での公平は測れないのではないか。
ただし実際には、 前車と後者が区別されて論じられることもなく、 後者についても遺産分割において考慮すると言うことは一般的ではない。
遺産分割協議が複雑になってまとまらなくなってしまうからであろう。
結果的に相続税の納税額で優遇される相続人は、相続税の支払額が少ないぶんだけ、遺産分割で得をすることになる。
遺産分割においては法定相続後にこだわるというよりも、相続税納税額も含めたトータルな損得勘定で考えるべきではないか。
また経済状況も加味し、 値上がりが高い確率で予想される財産を取得するのも大切である。
アベノミクス直前で上場株式を取得した相続人は、 目利きがあったということである。
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