sozoku.com相続専門の弁護士・税理士による
ワンストップサービス

相続Q&A 遺産相続の弁護士・税理士相談はお任せ下さい|sozoku.com

Q70.遺産分割調停がまとまるまでの時間はどのくらいか?[POSTED]:2020-03-22

1年以上かかる

月1ペースで進行するも春夏年末に間隔があく

遺産分割調停を申し立てるしかないと思っているが、どのくらいの時間がかかるのだろうか。
もめるのは嫌だがこのまま妥協もしたくない。
その時に争うかどうかを決める1つの要素は、時間的コストがどれだけかかるかである。
遺産分割協議を長く続けてこられた方が任意交渉で話をまとめることを諦めて、いよいよ裁判所の力を借りようとするときに、伺う質問である。
遺産分割調停に要する時間はなかなか事前に正確に把握することは難しいのだが、一般的には長くかかるといっていい。

遺産分割調停は一般的に、もめた場合には1年以上時間がかかると言われている。
月に1回ペースで進行するものの、夏や年末には長期休みが入る。
必ずしも月一回ペースで進行するとは限らない。
何よりも相手方の主張がどのようなものになるのかがまったく予想ができない。

調停は家庭裁判所で行う。
月1回の頻度で行い、遺産分割調停の場合は調停委員が2人。
各調停委員の中には弁護士もいる。
裁判官も関与しているのだが、基本的に何か大きなことを決める際にだけ出てくる。
月に1回のペースというのは原則であって、 間隔が長くこともある。
申立人の弁護士と相手方の弁護士、複数の調停委員の 都合を調整しなければいけないので、なかなか次のスケジュールが決められないこともある。

遺産分割調停は家庭裁判所の中で一つの部屋で行われるのだが、 申立人の弁護士と相手方の弁護士が同時に一つの部屋に入ることは原則としてはない。
重要な話をする時に双方の代理人が一堂に会することはあるが、基本的には片方の当事者ずつ交互に呼び出して話を聞くシステムになっている。
そのために通常の 裁判よりは、調停の方が時間がかかる。
1時間ではなかなか終わらず、 2時間以上かかる期日もある。
午前中の調停に出かけていくというに半日仕事になってしまう。
調停はそもそも、一回一回の期日が長くかかることになっている。

調停なのか裁判なのかにかかわらず、夏と年末に間隔が空きがちである。
それぞれ 夏休みとお正月休みがあるからである。
調停委員が夏休みを取ってしまうと、その間は期日が入れられない。
調停委員は複数いるので、さらに 調整が難しくなる。
夏と年末だけではなく、春も間隔が空く傾向にある。
裁判官が交代するからである。
裁判官の 転勤は 3年間に1回程度の割合でやってくる。
担当裁判官が転勤のタイミングになると、 そこでも期日調整に時間がかかってしまう。

遺産分割調停の期日を入れるタイミングの関係で時間がかかることは以上に述べた通りであるが、それ以外にも 遺産分割調停特有の問題がある。
一言で言えば締め切り効果が期待できないということ。
通常の裁判と異なり、きちんとした準備書面を提出することがない傾向にある。
書面を出さずに、悪く言えばだらだらと続いてしまう。
裁判官の介入も基本的には特別な節目以外にはないので、 規律がなかなか存在しないということは言える。

複数回期日が空転して、 この2、3回の期日は何のためにやっていたのだろうかと思うこともしばしば。
書面を必ずしも出さなくてもよいという甘いからなのか、代理人もやらなければいけないことを後回しにしている傾向にある。

考えれば裁判の仕組みはある意味よくできている。
書面をしっかりと作成し、短期集中で明確な宿題が裁判官から出される。
争点や次にやるべきことも比較的明確になってる。
もっとも裁判と言っても、裁判官や代理人次第ではなかなか進まないこともある。
民事訴訟法で明確に謳われている迅速な 裁判の実現。
裁判所という場所を借りての話し合いの側面を持つ調停とは、 性格がそもそも違うのだろう。

非常に細かいことを主張してきた場合には、結果的には付き合わされてしまう。
自分では主張しようとしなかった寄与分について、相手が入ってきた場合には、否定すると同時に自分もついつい主張してしまいがちだ。
特別受益や 相続財産の範囲に関する主張の食い違い。
遺産分割調停で合理的に話し合いができる場合はまだいいが、 そのことをメインに争うということになった場合には、 遺産分割調停とは別の裁判で争うことになる。
複数の裁判を抱えた場合、それぞれの裁判において判決に不満を持つ側が控訴をする可能性も高い。

相続紛争に関する期間が長引く理由の一つとしては、お互いに対する甘えなどもあるのだろうが、甘えに加えて今後の付き合いがない場合は、 遠慮する必要が全くないので余計に品のない態度を相手に対してとりがちである。
長年がない親戚同士や、前妻の子などが絡んだ場合に、相続紛争が激化するのはこのためであろう。
元々付き合いもないし今後付き合う必要もない。
このような関係だからこそ、いくつもいくつも裁判を重ねてしまいがちである。
意地になってやめられない、引っ込みがつかないケースもある。
どのくらいの時間がかかりそうかについては、主張する内容の複雑さに加えて、人間関係が今後も継続するのかどうなのかということが大きな要素になる。
長くかかった場合、撤退のタイミングも重要である。
裁判が連続する場合は、1回目の裁判の判決前の和解勧告が1つの山場である。
裁判官からの示唆の有無にもよるが、これを逃すと一気に長引く。
2回目の裁判ではすでに勝訴判決をもらっている側が強気になっているので、なかなか譲歩しないからである。

この記事と
関連性の高いページはこちら

遺産分割の弁護士.com

遺産分割のことなら『遺産分割の弁護士.com』

預金を勝手に引き出したり、不動産の名義を勝手に書き換える。財産の不正操作と徹底的に戦う覚悟がある方のお力になります。

ページトップへ戻る
  • 2020-03-22
  • [CATEGORY]: 相続Q&A
  • [TAG]:
  • [AUTHOR]:遺産相続の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所

相続Q&A』のその他の記事

Q79.ルーズでレスが遅い当事者が多数いる。どうしたらいいか
代償分割を活用する 相続手続きは当事者が多数いるため、ただでさえ時間がかかる 銀行に銀行口座の解約を申し出る、証券会社に証券口座の解約を申し出るなど、そのたびに委任状が必要になる。金融機関特有の委任状が求められることもあります。また、担当者が不慣れなときなど、必要書類がころころと変わることもある。いずれも、仲が良く、普段からコミュニケーションをとっている家族同士であれば問題はないかもしれないが、弁護士事務所に来ている時点で、少なくとも潜在的には問題を抱えている方が多いと考え…
2020-04-16 [ 相続Q&A ]
Q78.遺産分割調停で、相続財産の調査や開示命令がなされることはあるか
基本はないので、開示せざるを得ないように追い込む 遺産分割調停に持ち込む事件のうち、すべてが証拠は完璧に揃っているわけではない むしろ証拠が硬くないからこそ裁判ではなく遺産分割調停という手段を選択するという事件もある。 証拠がかたくない事件において裁判をすると、証明責任を負う通常は原告が敗訴をする。証拠がかたくない事件において調停を申し立てると、相手が妥協をしない限りやはり不調停に終わる。当たり前だが、裁判制度は本当にあった真実を映し出す鏡ではない。あくまでも証拠で…
2020-04-13 [ 相続Q&A ]
Q77.不正出金を追及する方法
銀行調査・異なる申告による税務調査 不正出金を追求する方法はないのか 生前に被相続人の預金口座から多額の出金がなされている。なんとか追求したいがどんな方法があるのかという相談を受けることは多い。 全体として銀行口座の調査ができるのは、被相続人の口座のみである。不正出金をしたと疑っている人間の口座を調査することはできない。弁護士による調査方法には限界があることを相談者には説明をしているが、不正出金をした人間の口座を直接調査ができると思っている相談者は多い。相続税の税務調査に…
2020-04-10 [ 相続Q&A ]
Q76.複数の相続人が1人の弁護士を代理人とすることはできるか
できるしそのほうが効率的 昔、弁護士が全くいないかいても一人しかいない地域をゼロワン地域と言った 弁護士会はゼロワン地域の解消を提唱し、弁護士の増加とともにゼロワン地域は減っていった。ゼロワン地域は現在、存在しない。どうしてゼロワン地域は存在してはいけないのだろうか。 まず弁護士が0の地域は、司法サービスが行き届いていないということになり、そのこと自体が問題になるということはわかる。ただ一人しか弁護士がいないゼロワンのワンの地域はどうしてまずいのだろうか。弁護士が一人しか…
2020-04-07 [ 相続Q&A ]
Q75.不動産の評価額について合意が取れなかった場合はどうするか
鑑定士による評価に。コストがかかるので怖気づく当事者がほとんど。 遺産分割において不動産の評価額は争いが起きるポイントの一つである 不動産を取得するものはできるだけ不動産価格を低く評価する。逆に不動産を取得しないものは、不動産をできるだけ高く評価することによって、代償金を多く受け取ろうとしたり、不動産を取得したものに対し他の財産を取得させないようにするだろう。 不動産の評価額は相続税申告において路線価に基づく一点の計算式が確立している。ところが相続税申告の相続税評価額にお…
2020-04-04 [ 相続Q&A ]
ページトップへ戻る
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。

無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争には参加せず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある相続事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は電話相談(初回15分)・メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話相談(初回15分)で対応します。

相続税を納める必要があり、
かつ遺産分割でもめている方は相談無料

来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
相続税の納税義務があり、
かつ遺産分割でもめている事件
無 料1時間:62,000円税別電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
内容証明が届いた事件1時間:12,000円税別
※来所困難な方に限り、
1時間30,000円税別にて
電話相談に応じます。
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:50,000円~税別1時間:100,000円~税別
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:100,000円~税別1時間:150,000円~税別
来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
内容証明が届いた事件1時間:
12,000円(税別)
※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。
電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:
50,000円~(税別)
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:
100,000円~(税別)
来所予約・お問い合わせ
03-5532-1112 9:00~18:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。
商標登録を行いました「磯野家の相続」