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Q72.遺産分割調停で確実にまとまるか[POSTED]:2020-03-26
前提問題は別の裁判で争う。遺産分割調停でまとめられればよいが、まとまらない場合は時間がかかる。
遺産分割調停にかけると必ずまとまるのか
遺産分割協議で長期間、モンスター相続に相手に疲弊してきた方が、遺産分割調停にかけるかどうかを迷っている。
逡巡した挙句遺産分割調停を申し立てることに踏み切った時に、それで確実にまとまるのかどうなのかを気にされているということだ。
遺産分割調停を申し立てた時に、確実にまとまるかどうかはまったく相手の対応次第である。
すでに述べたような前提問題で、相手と争いになることもありうる。
その場合は遺産分割調停を一旦取り下げ、別の訴訟を起こしておそらくは1年以上をかけて裁判で争うしかない。
また寄与分や特別受益などの主張をした場合、相手が頑として譲らない場合、こちらの方で証拠を提出できなければ、主張が認められないことになる。
そもそも調停なので、全くもって取り合わないという態度で望まれれば、調停が不調に終わることになる。
それでも遺産分割調停を申し立てる意味は、相手の態度がある程度柔軟で、裁判などのように立証ができるかできないかで All or nothing の結果になるということを避けられる可能性があることである。
裁判においては立証責任を負う側が立証責任を果たせない場合、その事実はなかったものと言うことになり、結果的に立証責任を負うものが不利益を得る。
調停の場合はあくまでも話し合いである。
話し合いなので仮に立証責任を負えないような状況であったとしても、柔軟な話し合いを期待し申し立てるということはあり得る。
結果的に調停委員が説得をしてもらえたり、あるいは100%立証ができていなくても、ある程度の事実を明らかにすることによって、相手の妥協を促したりということもあり得る。
話し合いなので仮に立証責任を負えないような状況であったとしても、柔軟な話し合いを期待し申し立てるということはあり得る。
結果的に調停委員が説得をしてもらえたり、あるいは100%立証ができていなくても、ある程度の事実を明らかにすることによって、相手の妥協を促したりということもあり得る。
裁判と調停とでは、代理人の考え方や態度も異なることがある。
裁判はどうしても立証できるかできないかと言うところに焦点が当たるために、実際には存在していた事実を不合理な態度で否認する代理人もいる。
書面を主張のたびに求められるので、どうしても肩に力が入ってしまいがちで、態度も明確にせざる得ない。
相手の主張する事実を否定するのが本筋であると言う前提に立てば、徹底抗戦ということにもなりがちだ。
これに対して調停は話し合いである。
話し合いなので本当はあったかなかったかということは別にして、 妥協や歩み寄りをしたところで、代理人の本籍に背くことはない。
主張書面を必ずしも求められるわけではなく、実際に主張書面を提出しない代理人も多数派である。
とすれば口頭でここだけの話という形を取ることも可能で、本当はどうであったかということとは別として、ざっくばらんな落としどころも探ることが可能である。
訴訟と調停のこのような特性を認識して、訴訟で主張できることをあえて調停で申し立てることだってあって良い。
確実にまとまるのかどうなのかは別としても、訴訟にはできないものの、あれは訴訟にしたらなかなか旗色が悪いという状況であったとしても、調停を申し立てることによって柔軟な結論を得ることは十分にあり得る。
実際のケースでは、裁判において裁判官のリードで、主張責任を負わないものに対して証拠を提出するように促したものもある。
調停で申立人がろくな証拠も出せなかったところ、調停委員が相手方に対し証拠を開示するように求めた。
にもかかわらず相手方がけんもほろろな態度を取ったために、調停は不調に終わった。
裁判でも立証責任を負う側が不十分な証拠しか出せなかったところ、調停が事前に不調に終わってることを知っている裁判官が、紛争の終局的な解決のために被告に対して証拠をまとめて出すように促したことがあった。
この ケースを見ても、調停だから、裁判だから、ということよりも調停委員や裁判官の実際の運営やリードによっても、進行はだいぶ変わってくる。
確実に解決ができるかどうかということは、分からない。
調停に限らず確実はない。
やってみなければ分からない。
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