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【二世帯住宅では区分所有登記をすると不利に】相続税申告で二世帯住宅にも小規模宅地等の特例は使えるか [POSTED]:2019-06-03
不動産相続における二世帯住宅の意味
典型的な日本家屋の平屋建てにおいて二世帯で暮らしながら、玄関も台所もお風呂もトイレもすべて共用といった古き良き二世帯同居は少なくなって、最近は生活空間を完全に分けた二世帯住宅が増えています。
仮に平屋建ての住宅を二世帯住宅に建て替えて、一階は両親、二階には娘一家というように住み分けたとしたら、これは「同居」といえるのでしょうか。
平成25年度税制改正の前までは二世帯住宅でも構造上の区別がなく、玄関が一つで建物の内部が自由に行き来できるなら、そこで生活する家族は「同居」とみなされました。
一方で、親子の居住スペースを区分して、壁などで隔てて、建物内部で行き来ができないような構造(玄関が別々など)の場合は、原則として「別々に生活している」と判断されました。
しかし税制改正によって平成26年1月1日以降の相続以降から、この二世帯住宅に関する適用要件が緩和されました。
以前のような建物の構造上の要件は撤廃されて、二世帯住宅については、内部で行き来できるかどうかにかかわらず、同居と認められるようになったのです。
二世帯住宅に建て替えて、一階と二階でそれぞれ生活空間を分けたとしても、宅地を相続した相続人は土地の評価額を80%減額にできる特例が使えるのです。
建物が区分登記されている場合には不動産の評価減は一部のみ
二世帯住宅に関する小規模宅地等の適用要件が緩和されて、平成26年1月1日以降は、たとえば外階段で一階と二階がつながっているような二世帯住宅でも特例が適用できるようになりました。
ただし、建物が区分所有されている場合は、これまで通り、評価減が一部しか使えないから注意が必要です。
たとえば自宅(土地は父親名義)を二世帯住宅に建て替えたときに、父親と母親が暮らす建物の一階は父親の所有、娘一家が暮らす二階は娘の夫の所有という形で区分登記したとします。
親と子がそれぞれ資金を出し合って二世帯住宅を建てた場合、どちらかの単独登記にすると贈与税がかかってしまうので、一階と二階で区分登記しておくケースは少なくありません。
それに区分登記して2戸にすると、不動産取得税や固定資産税の軽減措置がそれぞれ使えたり、金融機関の融資を受けやすかったりするといったメリットがあります。将来的に賃貸併用住宅として使うなら、区分登記していたほうが都合の良いこともあります。
しかし、区分登記した二世帯住宅については、小規模宅地等の特例は敷地の半分しか使えません。
仮に敷地が330㎡とすると、165㎡しか80%評価減にできません。
事業兼用住宅は区分登記をしたほうが特例のメリットを受けやすいですが、二世帯住宅の場合、区分登記は避けたほうがよいでしょう。
建物全体を親の単独登記にするか、親子で共有登記することをおすすめします。
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