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【英語で書かれた遺言は有効なのか】自筆証書遺言の作成ポイント[POSTED]:2018-08-02
友人の父親が先日亡くなった際の話です。
故人のタンスを整理していたところ、引出しの奥から遺言が出てきました。
ところが故人は元商社マンで海外経験が長く、ユーモアたっぷりの方だったそうで、なんと、遺言は英語で書かれていました。
家族の中では、英語で書かれた遺言が果たして有効なのかどうかと、ちょっとした騒ぎになったそうです。
皆さん、英語で書かれた遺言は有効だと思いますか。
答えはYESです。
英語で書かれた遺言を有効と認めた判例があります。
もちろん、遺言として必要な記載事項は書かれていないといけません。
解読する方は少々大変かもしれませんね。
作成される遺言の多くは「自筆遺言証書」あるいは「公正遺言証書」です。
ここでは自筆遺言証書について、詳しく説明します。
まず「自筆」という以上、遺言者がすべての文言を手書きする必要があります。
いくら遺言者が作成したと言っても、ワープロやパソコンで書いたものはNGです。
これでは遺言者の筆跡かどうかが分かりませんから、後で本人が作成したかどうかを証明できないのです。
財産目録も含めて徹頭徹尾、全て手書きである必要があります。
遺言に記載する内容としては本文に加えて、日付と遺言者の氏名を忘れないように。
日付は、元号でも西暦でもどちらでも構いません。
縁起をかつぐのが好きな人もいますが、例えば「六月吉日」のような表現は無効ですので、注意が必要です。
氏名の下に印鑑を押さなければなりませんが、実印である必要はなく、認印でも拇印でも良いとされています。
もっとも、遺言の有効性について相続人間で争いになった場合、遺言の印が遺言者本人の印であるかについて争われる場合もありますから、可能な限り実印を使用することをお勧めします。
本文には「左記の不動産を~に相続させる」などと書くわけですが、不動産の所在地は、法務局で取り寄せた登記簿謄本(登記全部事項証明書)に書かれた通りに、所在地・地番・地目・地積を記載します。
また、財産を特定の相続人に与える理由について、例えば「遺言者の食事や身の回りの世話をしてくれたことに感謝している」などと書き添えることも可能です。
他にも、着物や装飾品などといった動産の形見分けをする人や葬儀の主宰者を指定したり、自分の墓の場所や法要の仕方などを具体的に記したりすることもできます。
また自分の死後、遺体を医学的な研究・教育などのために用いる解剖に提供するための「献体」を希望する場合は、そうした意思も記載できます。
子も親も兄弟姉妹もおらず、法定相続人が存在しない場合でも、遺言を残すことはできます。
例えば、財産を医療法人や社会福祉法人に遺贈するのであれば、「左記の不動産を~に遺贈する」としたうえで、「老人医療・福祉に役立てて欲しい」と書き添えることもできます。
身寄りがない人が亡くなって、遺言もなく、財産の行き場がなくなってしまった場合は、家庭裁判所が相続財産管理人を選任し、相続財産の清算や相続人検索といった手続きを経たうえで、残った財産を国に帰属させることになります。
遺言の訂正をする場合には、該当箇所に線を引いて直したうえで、印鑑を押し、余白に「~を~に訂正した」と記載して自分の氏名を書く必要があります。
ただせっかく、人生の集大成として残す遺言ですから、訂正するくらいであれば最初から書き直してきれいなものを作成した方がすっきりするでしょうね。
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