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Q20.生命保険を買うべきと聞いた[POSTED]：2019-09-15
小金持ち向け。相続税対策はインパクト弱。納税資金確保が目的。
生命保険もまた、相続対策として勧められる商品である
生命保険の営業マンも、相続対策を売り言葉に生命保険を売ろうと頑張っている。
相続対策としての生命保険は、不動産に比べて節税効果のインパクトは大きくない。
法定相続人の数×500万円。
生命保険の非課税枠はありがたいものである。
しかし特に財産規模が大きくなると、不動産への資産組み換えによる節税効果に比べるとインパクトが小さい。
マンションを購入することによる８割程度の圧縮率に比べるとだが。
というよりも、不動産への資産組み換えによる効果が大きすぎるだけなのかもしれない。
不動産の割合的な節税効果は、高額な買い物ができる富裕層には便利だが、絶対額で法定相続人の数×500万円が非課税枠として用意される生命保険は、不動産をドカンと購入するほどまでは現金が用意できないものの、一定規模の現金を持っていて、自分の家庭に応じた相続対策をアラカルトで進めたい方にはとても便利なものである。
生命保険には節税効果ではない相続税対策がある。
納税資金の準備である。
相続税法改正以降、相続税納税義務を負う方の範囲が広がった。
いつ発生するかわからない相続において、一定額の相続税を相続発生後10月以内に納付しなければならない。
相続発生時に一定の現金が入る仕組みが生命保険であるから、納税資金として生命保険の受取金を活用するという意味では、生命保険は相続税対策になる。
いざとなったときに現金がある便利さを感じるのは、納税資金だけではない。
故人の債務や業者への支払いなどでも現金は必要である。
不動産にはなく生命保険にはあるものとして、遺産分割を容易にする効果がある。
不動産は大きな節税効果はあるものの、副作用として遺産分割がやりにくくなる。
不動産を共有することはNGなので、不動産を単独の相続人が現物分割する前提で遺産分割を進めざるを得ない。
不動産を相続する相続人が代償金を用意することになるのだが、ねん出が容易ではない。
生命保険の受取金は遺産分割の対象にならない。
ここでよく相談者から受ける質問が、相続財産ではないので相続税がかからないのかというものだが、みなし相続財産として相続税の課税対象にはなる。
ただしすでに説明したように、法定相続人の数×500万円の非課税枠という節税効果がある。
生命保険の受取金は相続財産ではないので、生命保険の受取金を受け取った相続人は非相続財産として受け取ることができる。
不動産を相続する人間が生命保険の受取金を受け取れば、代償金としても利用できる。
また特定の相続人に多くの財産を受け取らせるために、生命保険を利用すれば、遺留分の計算に影響をさせることなく、継承財産を調整できる。
生命保険は節税効果としては、不動産ほどの派手な効果はないものの、割合的な節税ではなく絶対額での節税効果が期待できる。
相続開始と同時に現金を被相続財産として受け取らせることで、特定の相続人に対して遺留分に影響させることなく多くの財産を継承させることができ、遺産分割の代償金としても利用できる。
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