sozoku.com相続専門の弁護士・税理士による
ワンストップサービス

相続Q&A 遺産相続の弁護士・税理士相談はお任せ下さい|sozoku.com

    [CATEGORY]:相続Q&A
  •  [TAG]:

Q30.遺言は書かないとだめか[POSTED]:2019-11-10

書く方がよい

遺言を書かないといけないのか

この疑問に答えるのは難しいが、書いた方がよいだろう。
書かないよりは書く方がよい。

遺言を書く日本人はどのくらいの割合か。
公証役場のデータでは年々、公正証書遺言を作成する方は増えていて、平成29年は11万件強というデータがある。
過去10年間の推移は下記のとおり。
暦年 遺言公正証書作成件数
平成20年 76,436件
平成21年 77,878件
平成22年 81,984件
平成23年 78,754件
平成24年 88,156件
平成25年 96,020件
平成26年 104,490件
平成27年 110,778件
平成28年 105,350件
平成29年 110,191件

もっともこの数字は自筆証書遺言を含まない。
自筆証書遺言がどのくらいの実数でいるのかは把握する手段がないが、法律事務所に相談に来るケースでは若干、公正証書遺言のほうが多い。
全ての事案を把握しているわけではないし、把握している実数が全体の傾向と一致しているとも限らない。
ただし実は、自筆証書遺言はそこまで書かれていないのではないか。

自筆証書遺言はコストがかからず自分ですべて書くことができる点ではハードルが低いことになっている。
しかし、実は自筆証書遺言を作成するのはそこまで簡単ではない。
法改正前までは一部でもワープロ打ちが使われていると無効であった。
全文自筆というハードルは高い。
高齢者が自らペンを持って、遺言内容によっては決して少なくはない文字数をすべて書ききる。
誤字脱字があるかもしれない。
形式無効もありうる。
大切な財産を託す遺言を、自筆証書で書くには勇気がいる。

いわゆる「書かされた遺言」はほとんど公正証書遺言である。
作成当日まで遺言者本人の関与はなくても問題がない。
病院などへの出張もお願いできるので、シャンシャン遺言でも成立しうる。
署名すらも病状などにより、公証人にお願いすることができる。
公正証書遺言は本人の関与度合が低くても作成できる、ある意味便利なものである。
もちろん、公証人が遺言能力について確認をしたうえでの公正証書遺言作成であるから、信頼性があるということになっている。

いずれにせよ、自筆証書遺言があまり多くはないというのが実態であると考えている。

公正証書遺言も作成過程において遺言作成者本人ではなく受益相続人の関与が大きいことからしても、高齢者が一大決心をして遺言作成をするケースは実数として多くはない。
より主体的に関与をする自筆証書遺言の数はそこまで多くはないだろう。

とすると公正証書遺言の数が増えているとはいえ、相続発生件数自体が増えており、相続税法改正もあり相続に対する家族の関心から作成されたであろうケースもあることを考慮すると、遺言を主体的に書く高齢者はまだまだ少数派ではないか。
遺言を書く少数派になる必要があるのだろうか。

結論から言うと、遺言は書く方がよい。
相続発生を境に、被相続人の財産は処分権者が変わる。
相続発生前は当然に、自分の財産を自分で処分する権利がある。
よく親が勝手に財産を処分して困るという方がいるが、親がどんなに病状が悪化していても、亡くなるまで親の財産は親のものである。
推定相続人というくらいであるから、相続が発生するまでは相続権はない。
あくまでも期待権を持つにすぎないといわれる。

これに対して相続発生後は、相続人が遺産分割協議で遺産分割方法を決定する。
処分権は相続人に移ってしまう。
続発生という瞬間的な出来事を境に、財産の処分権がはっきりと変わる。

自分で築いた財産に対して何も口を出さなくてよいのだろうか。
自分の意向を表明する方法が遺言である。
相続人に遺産分割を一任する意向であればその旨を遺言に書いても構わない。
終活ブームというが、遺言作成こそ究極の終活。
遺言作成しない終活は画竜点睛を欠く。

遺言作成をすべきではあるが、なかなか現実は厳しい。
決められない高齢者が多い。
なぜ今なのか。
なぜ来年ではだめなのか。
突然に亡くなった方は周りにいないだろうか。
財産構成も変わる。
家族の状況も変わる。
相続税性も変わる。
100点満点の遺言は最後まで作成できない。
遺言は書き直していくもの。
相続発生までに複数の遺言を書く方は多い。
まずは第1回目の遺言を書いてみる。
そんなつもりで進めるのが遺言作成である。

この記事と
関連性の高いページはこちら

遺言の弁護士.com

遺言のことなら『遺言の弁護士.com』

だましうちで遺言を書かせる。財産の不正操作の常とう手段です。遺言無効確認の訴えや、遺留分減殺請求などにより、財産の不正操作と戦います。

ページトップへ戻る
  • 2019-11-10
  • [CATEGORY]: 相続Q&A
  • [TAG]:
  • [AUTHOR]:遺産相続の弁護士・税理士 永田町法律税務事務所

相続Q&A』のその他の記事

Q79.ルーズでレスが遅い当事者が多数いる。どうしたらいいか
代償分割を活用する 相続手続きは当事者が多数いるため、ただでさえ時間がかかる 銀行に銀行口座の解約を申し出る、証券会社に証券口座の解約を申し出るなど、そのたびに委任状が必要になる。金融機関特有の委任状が求められることもあります。また、担当者が不慣れなときなど、必要書類がころころと変わることもある。いずれも、仲が良く、普段からコミュニケーションをとっている家族同士であれば問題はないかもしれないが、弁護士事務所に来ている時点で、少なくとも潜在的には問題を抱えている方が多いと考え…
2020-04-16 [ 相続Q&A ]
Q78.遺産分割調停で、相続財産の調査や開示命令がなされることはあるか
基本はないので、開示せざるを得ないように追い込む 遺産分割調停に持ち込む事件のうち、すべてが証拠は完璧に揃っているわけではない むしろ証拠が硬くないからこそ裁判ではなく遺産分割調停という手段を選択するという事件もある。 証拠がかたくない事件において裁判をすると、証明責任を負う通常は原告が敗訴をする。証拠がかたくない事件において調停を申し立てると、相手が妥協をしない限りやはり不調停に終わる。当たり前だが、裁判制度は本当にあった真実を映し出す鏡ではない。あくまでも証拠で…
2020-04-13 [ 相続Q&A ]
Q77.不正出金を追及する方法
銀行調査・異なる申告による税務調査 不正出金を追求する方法はないのか 生前に被相続人の預金口座から多額の出金がなされている。なんとか追求したいがどんな方法があるのかという相談を受けることは多い。 全体として銀行口座の調査ができるのは、被相続人の口座のみである。不正出金をしたと疑っている人間の口座を調査することはできない。弁護士による調査方法には限界があることを相談者には説明をしているが、不正出金をした人間の口座を直接調査ができると思っている相談者は多い。相続税の税務調査に…
2020-04-10 [ 相続Q&A ]
Q76.複数の相続人が1人の弁護士を代理人とすることはできるか
できるしそのほうが効率的 昔、弁護士が全くいないかいても一人しかいない地域をゼロワン地域と言った 弁護士会はゼロワン地域の解消を提唱し、弁護士の増加とともにゼロワン地域は減っていった。ゼロワン地域は現在、存在しない。どうしてゼロワン地域は存在してはいけないのだろうか。 まず弁護士が0の地域は、司法サービスが行き届いていないということになり、そのこと自体が問題になるということはわかる。ただ一人しか弁護士がいないゼロワンのワンの地域はどうしてまずいのだろうか。弁護士が一人しか…
2020-04-07 [ 相続Q&A ]
Q75.不動産の評価額について合意が取れなかった場合はどうするか
鑑定士による評価に。コストがかかるので怖気づく当事者がほとんど。 遺産分割において不動産の評価額は争いが起きるポイントの一つである 不動産を取得するものはできるだけ不動産価格を低く評価する。逆に不動産を取得しないものは、不動産をできるだけ高く評価することによって、代償金を多く受け取ろうとしたり、不動産を取得したものに対し他の財産を取得させないようにするだろう。 不動産の評価額は相続税申告において路線価に基づく一点の計算式が確立している。ところが相続税申告の相続税評価額にお…
2020-04-04 [ 相続Q&A ]
ページトップへ戻る
他にはないサービス。無料相談は原則、受け付けません。

無料相談を掲げる法律事務所とは一線を画し、価格競争には参加せず、報酬に見合う良質なサービスを提供しています。他の弁護士事務所にできないミッションを達成し、紛争解決に集中してリソースを割くために、相談対象を紛争性がある相続事件に限定しています。
「内容証明が届いた」「対立当事者に弁護士が就いた」「調停・裁判中」「調停・裁判目前」「弁護士を替えることを検討中」など、紛争性が顕在化している方は電話相談(初回15分)・メール相談(1往復のみ)・土日夜間の電話相談(初回15分)で対応します。

相続税を納める必要があり、
かつ遺産分割でもめている方は相談無料

来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
相続税の納税義務があり、
かつ遺産分割でもめている事件
無 料1時間:62,000円税別電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
内容証明が届いた事件1時間:12,000円税別
※来所困難な方に限り、
1時間30,000円税別にて
電話相談に応じます。
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:50,000円~税別1時間:100,000円~税別
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:100,000円~税別1時間:150,000円~税別
来所ビデオ通話電話・メール・土日夜間
内容証明が届いた事件1時間:
12,000円(税別)
※来所困難な方に限り、1時間30,000円(税別)にて電話相談に応じます。
電話:初回15分
メール:初回1往復
土日夜間:初回15分
無 料
対立当事者に弁護士が就いた事件
調停・裁判中、調停・裁判目前の事件
弁護士を替えることを検討中の事件
その他、紛争性がある事件
(潜在的なものも含めて)
非対応
税務に関する法律相談1時間:
50,000円~(税別)
国際法務・国際税務に関する法律相談1時間:
100,000円~(税別)
来所予約・お問い合わせ
03-5532-1112 9:00~18:00 土日祝日除く※お電話又は予約フォームにて法律相談のご予約をお取り下さい。
※小さなお子様の同伴はご遠慮ください。
商標登録を行いました「磯野家の相続」